麻雀役の一つである「小三元」。
白、撥、中の三元牌のうち2種類をメンツ(3枚集める)、残りの1種類をトイツ(2枚集める)にすることで成立する役です。
ちなみに、英語ではリトルドラゴンと呼ばれます。(大三元はビッグドラゴン)
この小三元ですが、読む本によって2役だったり4役だったりする、点数の数え方がめんどくさい役でもあります。
そこで今日は小三元の意味や数え方を確認していきましょう。
目次
麻雀役「小三元」とは?確率と成立条件、点数を解説
まずは小三元とは何か、という話から始めていきたいと思います。
小三元というのは麻雀の役の一つで、「白、撥、中の三元牌のうち2種類をメンツ(3枚集める)に、残りの1種類をトイツ(2枚集める)にすると成立する役」です。
こいつらを集める↓
詳細情報はこんな感じ。
役名 | 小三元 |
---|---|
条件 | 三元牌(白、發、中)のうち2種類を3枚、残り1種を2枚集める |
タイプ | 役牌系 |
点数 | 2役(役牌を含めると4役) |
鳴き | OK(喰い下がりなし) |
確率 | 0,07~0.13%程度(20番目くらいの難易度) |
鳴いてもOK(食い下がりもなし)なので、おそらくは和了された小三元の99%くらいは鳴き手だと思われます。
小三元自体の出現率は0.07~0.13%くらい(天鳳統計より)で全37個の役のうち20番目くらいの難易度です。(雀魂の200万局のデータでも0.12%と出ておりだいたい一致)
そんな小三元ですが、例を挙げると以下のような形が小三元となります。
この形を見て大三元に似ているなーと思った方もいるかと思います。
小三元は大三元の下位互換的な役です。実際、大三元を和了したかったけど小三元になってしまったというケースも多いです。
3つずつ集めると大三元という役満になる
そんな小三元の点数は4役(または2役)。
なんでかっこついてるの?という理由は事項で説明していきます。
出る順 | 麻雀役名 | 面前点数 | 鳴き点数 | タイプ | ヨンマ 確率(%) |
サンマ 確率(%) |
条件 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | リーチ | 1役 | なし | 6.手なり系 | 43.5 | 47.7 | 面前での聴牌時に、リーチを宣告して1000点棒を支払ったうえで和了すること |
2 | ドラ | 1役 | 1役 | 7.偶然役系 | 42.3 | 89 | 1枚もつに付き1役となる。ドラのみで和了することはできない |
3 | 役牌 | 1役 | 1役 | 1.役牌系 | 40.2 | 52.0 | 役牌を3枚集める |
4 | タンヤオ | 1役 | 1役 | 4.順子系 | 22.1 | 07.3 | 2〜8で手を作る |
5 | 平和 | 1役 | なし | 4.順子系 | 19.6 | 15.1 | すべての面子を順子でそろえ、かつ頭が役牌でなく、待ちが両面待ちであること(頭に関しては、自風牌、場風牌、三元牌以外で作る必要あり) |
6 | 面前清自摸 | 1役 | なし | 6.手なり系 | 19.4 | 28.4 | 面前で手牌を揃え、自らのツモで和了すること |
7 | 一発 | 1役 | なし | 7.偶然役系 | 09.30 | 10.2 | リーチ宣言後、鳴きの入っていない状態での翌順のツモまでに和了すること(リーチ宣言した巡目のロンと、翌順のツモが有効) |
8 | ホンイツ | 3役 | 2役 | 2.染め手系 | 05.94 | 13.1 | マンズ、ピンズ、ソウズのいずれか1色+字牌で手を作る |
9 | 一盃口 | 1役 | なし | 4.順子系 | 04.27 | 08.05 | 同じ組み合わせの順子を2つつくること(例:223344ソウ) |
10 | 三色同順 | 2役 | 1役 | 4.順子系 | 03.09 | 0 | 萬子、筒子、ソウズの数牌で同じ組み合わせの順子を作ること(例:234ソウ,234萬,234筒) |
11 | 対々和 | 2役 | 2役 | 5.対子系 | 03.01 | 04.69 | 全ての面子を刻子(同じ牌3枚の組み合わせ)で作る(123などの順子は不可) |
12 | 七対子 | 2役 | なし | 5.対子系 | 02.40 | 04.23 | 同じ牌2枚のペアを7つ作る |
13 | 一気通貫 | 2役 | 1役 | 4.順子系 | 01.57 | 02.56 | マンズ、ピンズ、ソウズのいずれかで123,456、789の3面子を揃える |
14 | チャンタ | 2役 | 1役 | 3.チャンタ系 | 01.03 | 0.954 | メンツとアタマを1、9+字牌を含む形で作る。(123,789はあり) |
15 | 清一色 | 6役 | 5役 | 2.染め手系 | 0.852 | 02.03 | マンズ、ピンズ、ソウズのいずれか1色で手を作る |
16 | 三暗刻 | 2役 | 2役 | 5.対子系 | 0.673 | 01.89 | 手の中でアンコ(鳴かずに作った同じ牌3枚の組みあわせ)を3つ作る |
17 | 河底撈魚 | 1役 | 1役 | 7.偶然役系 | 0.504 | 0.391 | その局の最終捨て牌でロン和了すること |
18 | 海底撈月 | 1役 | 1役 | 7.偶然役系 | 0.353 | 0.437 | その局の最終ツモで和了すること |
19 | 嶺上開花 | 1役 | 1役 | 7.偶然役系 | 0.328 | 02.15 | カンを宣告後、嶺上牌でツモ和了すること |
20 | 純全帯 | 3役 | 2役 | 3.チャンタ系 | 0.302 | 0.153 | メンツとアタマを1、9牌を含む形で作る。(123,789はあり) |
21 | ダブル立直 | 2役 | なし | 7.偶然役系 | 0.201 | 0.199 | 鳴きの入っていない状態で、子の第一ツモでリーチを宣言して1000点棒を支払ったうえで和了すること |
22 | 小三元 | 4役 | 4役 | 1.役牌系 | 0.123 | 0.265 | 白發中のうち2種類を3枚、1種類を2枚集める |
23 | 混老頭 | 2役 | 2役 | 3.チャンタ系 | 0.0621 | 0.211 | メンツとアタマを1、9+字牌のみで作る(123,789は不可) |
24 | 槍槓 | 1役 | 1役 | 7.偶然役系 | 0.0597 | 0.0443 | 他家が加カンを宣言した牌、その牌でロン和了すること |
25 | 二盃口 | 3役 | なし | 4.順子系 | 0.0442 | 0.160 | 同じ組み合わせの順子2つの組み合わせを2セットをつくること(例:223344ソウ、445566ピン) |
26 | 三色同刻 | 2役 | 2役 | 5.対子系 | 0.0437 | 0.0372 | 萬子、筒子、ソウズでそれぞれ同じ数の刻子をそろえること |
27 | 四暗刻 | 役満 | なし | 5.対子系 | 0.0416 | 0.183 | 手の中でアンコ(鳴かずに作った同じ牌3枚の組みあわせ)を4つ作る |
28 | 国士無双 | 役満 | なし | 3.チャンタ系 | 0.0371 | 0.237 | 13種類の1、9、字牌を全て1枚ずつ+13種のどれかをもう1枚の形を整える |
29 | 大三元 | 役満 | 役満 | 1.役牌系 | 0.0334 | 0.0995 | 白發中の3種類を3枚ずつ集める |
30 | 小四喜 | 役満 | 役満 | 1.役牌系 | 0.0105 | 0.0131 | 東南西北のうち3種類を3枚、残り1種を2枚集める |
31 | 字一色 | 役満 | 役満 | 2.染め手系 | 0.00573 | 0.0167 | 字牌のみで手を作る |
32 | 三槓子 | 2役 | 2役 | 5.対子系 | 0.00485 | 0.0126 | 3つのメンツがカンされたものであること |
33 | 緑一色 | 役満 | 役満 | 2.染め手系 | 0.00178 | 0.00886 | ソウズの23468、字牌の發のみで手を作る |
34 | 清老頭 | 役満 | 役満 | 3.チャンタ系 | 0.00133 | 0.00655 | 1、9牌のみで手を作る |
35 | 九蓮宝燈 | 役満 | なし | 2.染め手系 | 0.000951 | 0.00682 | マンズ、ピンズ、ソウズのいずれかで1112345678999+何か同じ色1枚の形を作る |
36 | 地和 | 役満 | なし | 7.偶然役系 | 0.000879 | 0.000904 | 鳴きの入っていない状態で、子の第一ツモで和了すること |
37 | 大四喜 | 役満 | 役満 | 1.役牌系 | 0.000525 | 0.000882 | 東南西北のうち全部を3枚ずつ集める |
38 | 天和 | 役満 | なし | 7.偶然役系 | 0.000375 | 0.00103 | 配牌時に和了していること |
39 | 四槓子 | 役満 | 役満 | 5.対子系 | 0.0000109 | 0.000112 | 4つのメンツすべてがカンされたものであること |
40 | 大車輪 | 役満 | なし | 2.染め手系 | 0(不明) | 0(不明) | ピンズで22334455667788の形を作る(ローカル役) |
41 | 人和 | 倍満or役満 | なし | 7.偶然役系 | 0(不明) | 0(不明) | 鳴きの入っていない状態で、子の第一ツモをするまでにロンアガリする |
小三元は何翻(なんはん)役なの?2種類の点数の数え方について(結局4役になります)
小三元は麻雀で唯一(?)役の数え方が2種類ある役です。
なぜ、2種類の数え方があるかというと、撥や白、中を小三元の役の中に含めるか含めないかの議論があるため。
そのため、三元牌の役を
- 小三元の中に含めた場合は4役
- 含めない場合は2役
となります。
とはいえ、含めない場合でも役牌(1役)+役牌(1役)+小三元(2役)となり4役になり、結局は同じです。
整理学だけの話ですね。
小三元を4役で数えたうえでさらに役牌を乗せたダブルカウントをしないようにだけ気を付けましょう。
小三元は計4役で大体満貫〜。
※30符4翻で微妙に満貫にならないケースもある(7700の場合)
ちなみに三元牌以外の役牌(東とか)は普通に数えてOKです。
そういえば全然関係ないですが、カメラのレンズの世界でも大三元、小三元という言葉があったりするらしいですね。
↓ソニーの小三元レンズ
小三元の作り方と使い方、相性の良い役、上位役など
では最後に実践での小三元の和了の仕方について書いていきたいと思います。
小三元と相性のいい役としては以下のような感じ。
◆小三元と相性のいい役(※リンクは役の詳細説明に飛びます)
・大三元・・・役満をちらつかせて相手の手を遅らせる、あるいは高め大三元で両天秤!
・対々和・・・小三元は既に2メンツがコウツなので、あとの2つをコウツにすればいいだけ
・チャンタ、ホンロー・・・小三元は既に2メンツとアタマがヤオチュー牌なので残りの2メンツもヤオチュー牌で作ればいいだけ
・ホンイツ・・・すでに2メンツとアタマは字牌なので、後の2メンツを一色でつくればよいだけ
小三元の作り方としては、とにかく鳴きを駆使していくことになり、大三元をちらつかせるというのも有効な手です。
例えばあなたが中と白を鳴いて、もし發が場に一枚も見えてなければ、他家は嫌でも大三元を警戒します。
実際には發が1枚しかなかったとしても悠々と手を進めることができます。
他にも、小三元は計4役なので、2役のホンイツや対々和との組み合わせが相性がよくコンビで跳満を作りやすいです。
ホンイツトイトイ小三元なら倍満です。
ホンイツ(鳴き2役)、トイトイ(鳴き2役)、小三元(鳴き4役)
➔計8役で倍満(子で16000、親で24000)
すでに3種目の役牌が2枚切れていて、しょせんは小三元だと思って油断している相手に手痛いダメージを与えることも可能となります。
あとは小三元の条件はすべて字牌(ヤオチュー牌)なので、チャンタ、ホンローなども組み合わせやすいです。
あとは
小三元で他の面子に字牌があり、混一色・混老頭・対々和だった場合、中三元(1役)が追加される
というローカルルールもあるみたいです。採用しているところは見たことないですが。
番外編:なぜ小四喜は役満なのに小三元は満貫なのか
ちなみにこの大三元と小三元に似た役としては、大四喜と小四喜という役があります。
これは東、南、西、北の4種の風牌を全てメンツにしたものが大四喜、3つをメンツにし、残る一つをトイツにしたものが小四喜です。
と思ったら実は違います。
小四喜も大四喜もともに役満(13)なのです。
自分はこれを初めて知った時、小三元と小四喜の扱いに格差があると思い憤慨しましたが、最近は一概に小四喜が優遇されているわけではないなと思うようになりました。
というのも、小四喜は4種類の牌を集めなくてはならないので、3種類でよい小三元よりは難易度が高いし、かつ風牌を3種類しか集めなかった場合何の役もつかないからです。
例えばもしも東場の親が、北と南と西をメンツにしても、東を2枚以上持っていなければ小四喜どころか1役もなくて和了することすらできません。
そういった意味では、いつでも和了できる小三元はそもそも三元牌が優遇されているのかもしれないな、と思いました。
まとめると小三元と小四喜は一長一短ということですね。
終わりに。小三元以外の麻雀役一覧はこちら。
小三元は大三元に比べればやはり地味ですが、それでも組み合わせ次第ではけっこう強力な打点になります。
三元牌が完成している場合、意外と待ちが読みづらい役でもあるので、手が入った時はペテンや脅しも踏まえつつ、確実に和了したいものですね。
ぜひ使いこなしてドラゴン使いを目指していきましょう!
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- 第1回:麻雀とは?ざっくり概要を解説
- 第2回:麻雀の上がり方!ツモとロンを覚えよう
- 第3回:麻雀の主な役!まずはこれだけ3,5,7
- 第4回:牌効率の基礎!確率を上げる考え方
- 第5回:鳴き!ポンとチーで人から牌をもらう方法
- 第6回:役を狙う牌効率!6つのコースで解説
- 番外編:手積み麻雀ができるようになる方法
◆初級者から中級者になる6講座
- 第7回:ベタオリ!リーチを受ける手順とコツまとめ
- 第8回:相関図で麻雀役を全部覚えてみよう!
- 第9回:麻雀の点数計算やり方解説【符の数え方】
- 第10回:フリテンルール解説!ロンできない問題を解決します
- 第11回:麻雀の押し引きについて
- 第12回:手役読みの基礎!相手の狙い役を見抜く方法
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