「特急券」とも呼ばれ、早上がりに一役買っている麻雀役「役牌」。
この役は非常に便利ですが、条件がちょっとわかりづらかったりもします。
そこで今日は、初心者向けの麻雀講座として、3種類の役牌の違いを説明していきたいと思います。
本記事で分かる内容
- 役牌とはどんな麻雀役か
- 風牌(東南西北)と三元牌(白撥中)の違い
- 風牌のうち役牌になるもの(場風と自風)とならないもの(オタ風)の違い
また、麻雀役の一覧については以下の記事を参照ください。

では始めます。
目次
麻雀役「役牌(やくぱい)」の成立条件の概要!鳴きあり1翻役で別名は特急券!
まずは役牌という役について簡単に説明していきます。

役牌というのは麻雀における役の一つで、特定の牌を3枚集めると「1役」になるというものです。
鳴いてもOKなので、自分で2枚集めておけば誰かが捨てた牌をポンして、計3枚とすることが可能となり、非常にお手軽な役となります。
こんな感じでポンして使うことが多い↓

役牌の対象となる役は、以下の通りです。
◆役牌となる牌の一覧
白、撥、中、(東、南、西、北)
※白撥中はいつも役牌、東西南北はなるときとそうじゃないときがある
白撥中は三元牌と呼ばれ3枚集めれば常に役牌ですが、東西南北は風牌と呼ばれ、タイミングや座っている場所によって役牌だったりそうでなかったりするのでちょっと面倒です。
では、以下でそれぞれの役牌について違いを解説していきましょう。
その他の役について知りたい人は以下をどうぞ(開けます↓)。
麻雀役名 | 面前点数 | 鳴き点数 | タイプ | 出現頻度 | 確率(%) | 条件 |
---|---|---|---|---|---|---|
役牌 | 1役 | 1役 | 1.役牌系 | ★★★★★ | 40.2 | 役牌を3枚集める |
タンヤオ | 1役 | 1役 | 4.順子系 | ★★★★★ | 22.1 | 2〜8で手を作る |
平和 | 1役 | なし | 4.順子系 | ★★★★★ | 19.6 | すべての面子を順子でそろえ、かつ頭が役牌でなく、待ちが両面待ちであること(頭に関しては、自風牌、場風牌、三元牌以外で作る必要あり) |
リーチ | 1役 | なし | 6.手なり系 | ★★★★★ | 43.5 | 面前での聴牌時に、リーチを宣告して1000点棒を支払ったうえで和了すること |
面前清自摸 | 1役 | なし | 6.手なり系 | ★★★★★ | 19.4 | 面前で手牌を揃え、自らのツモで和了すること |
ドラ | 1役 | 1役 | 7.偶然役系 | ★★★★★ | 42.3(?) | 1枚もつに付き1役となる。ドラのみで和了することはできない |
ホンイツ | 3役 | 2役 | 2.染め手系 | ★★★★ | 05.94 | マンズ、ピンズ、ソウズのいずれか1色+字牌で手を作る |
チャンタ | 2役 | 1役 | 3.チャンタ系 | ★★★★ | 01.03 | メンツとアタマを1、9+字牌を含む形で作る。(123,789はあり) |
対々和 | 2役 | 2役 | 5.対子系 | ★★★★ | 03.01 | 全ての面子を刻子(同じ牌3枚の組み合わせ)で作る(123などの順子は不可) |
七対子 | 2役 | なし | 5.対子系 | ★★★★ | 02.40 | 同じ牌2枚のペアを7つ作る |
一気通貫 | 2役 | 1役 | 4.順子系 | ★★★★ | 01.57 | マンズ、ピンズ、ソウズのいずれかで123,456、789の3面子を揃える |
三色同順 | 2役 | 1役 | 4.順子系 | ★★★★ | 03.09 | 萬子、筒子、ソウズの数牌で同じ組み合わせの順子を作ること(例:234ソウ,234萬,234筒) |
一盃口 | 1役 | なし | 4.順子系 | ★★★★ | 04.27 | 同じ組み合わせの順子を2つつくること(例:223344ソウ) |
純全帯 | 3役 | 2役 | 3.チャンタ系 | ★★★ | 0.302 | メンツとアタマを1、9牌を含む形で作る。(123,789はあり) |
一発 | 1役 | なし | 7.偶然役系 | ★★★ | 09.30 | リーチ宣言後、鳴きの入っていない状態での翌順のツモまでに和了すること(リーチ宣言した巡目のロンと、翌順のツモが有効) |
海底撈月 | 1役 | 1役 | 7.偶然役系 | ★★★ | 0.353 | その局の最終ツモで和了すること |
河底撈魚 | 1役 | 1役 | 7.偶然役系 | ★★★ | 0.504 | その局の最終捨て牌でロン和了すること |
小三元 | 4役 | 4役 | 1.役牌系 | ★★ | 0.123 | 白發中のうち2種類を3枚、1種類を2枚集める |
清一色 | 6役 | 5役 | 2.染め手系 | ★★ | 0.852 | マンズ、ピンズ、ソウズのいずれか1色で手を作る |
国士無双 | 役満 | なし | 3.チャンタ系 | ★★ | 0.0371 | 13種類の1、9、字牌を全て1枚ずつ+13種のどれかをもう1枚の形を整える |
混老頭 | 2役 | 2役 | 3.チャンタ系 | ★★ | 0.0621 | メンツとアタマを1、9+字牌のみで作る(123,789は不可) |
三暗刻 | 2役 | 2役 | 5.対子系 | ★★ | 0.673 | 手の中でアンコ(鳴かずに作った同じ牌3枚の組みあわせ)を3つ作る |
三色同刻 | 2役 | 2役 | 5.対子系 | ★★ | 0.0437 | 萬子、筒子、ソウズでそれぞれ同じ数の刻子をそろえること |
四暗刻 | 役満 | なし | 5.対子系 | ★★ | 0.0416 | 手の中でアンコ(鳴かずに作った同じ牌3枚の組みあわせ)を4つ作る |
二盃口 | 3役 | なし | 4.順子系 | ★★ | 0.0442 | 同じ組み合わせの順子2つの組み合わせを2セットをつくること(例:223344ソウ、445566ピン) |
ダブル立直 | 2役 | なし | 7.偶然役系 | ★★ | 0.201 | 鳴きの入っていない状態で、子の第一ツモでリーチを宣言して1000点棒を支払ったうえで和了すること |
嶺上開花 | 1役 | 1役 | 7.偶然役系 | ★★ | 0.328 | カンを宣告後、嶺上牌でツモ和了すること |
大三元 | 役満 | 役満 | 1.役牌系 | ★ | 0.0334 | 白發中の3種類を3枚ずつ集める |
小四喜 | 役満 | 役満 | 1.役牌系 | ★ | 0.0105 | 東南西北のうち3種類を3枚、残り1種を2枚集める |
大四喜 | 役満 | 役満 | 1.役牌系 | ★ | 0.000525 | 東南西北のうち全部を3枚ずつ集める |
字一色 | 役満 | 役満 | 2.染め手系 | ★ | 0.00573 | 字牌のみで手を作る |
九蓮宝燈 | 役満 | なし | 2.染め手系 | ★ | 0.000951 | マンズ、ピンズ、ソウズのいずれかで1112345678999+何か同じ色1枚の形を作る |
緑一色 | 役満 | 役満 | 2.染め手系 | ★ | 0.00178 | ソウズの23468、字牌の發のみで手を作る |
大車輪 | 役満 | なし | 2.染め手系 | ★ | – | ピンズで22334455667788の形を作る(ローカル役) |
清老頭 | 役満 | 役満 | 3.チャンタ系 | ★ | 0.00133 | 1、9牌のみで手を作る |
三槓子 | 2役 | 2役 | 5.対子系 | ★ | 0.00485 | 3つのメンツがカンされたものであること |
四槓子 | 役満 | 役満 | 5.対子系 | ★ | 0.0000109 | 4つのメンツすべてがカンされたものであること |
天和 | 役満 | なし | 7.偶然役系 | ★ | 0.000375 | 配牌時に和了していること |
地和 | 役満 | なし | 7.偶然役系 | ★ | 0.000879 | 鳴きの入っていない状態で、子の第一ツモで和了すること |
人和 | 倍満or役満 | なし | 7.偶然役系 | ★ | – | 鳴きの入っていない状態で、子の第一ツモをするまでにロンアガリする |
槍槓 | 1役 | 1役 | 7.偶然役系 | ★ | 0.0597 | 他家が加カンを宣言した牌、その牌でロン和了すること |
3種類の役牌(自風,場風,三元牌)の違いと成立条件について
それぞれの役牌について説明していきます。
ざっくり書くとこんなイメージ
1.三元牌(白撥中)は、3枚集めるといつも役牌
2.東南西北(風牌)は
- 場風(親が1周目の回りなら東、2周目なら南)
- 自風(親は東、そこから反時計回りに南家は南、西家は西、北家は北)
なら役牌。そうじゃなければ役牌ではない(オタ風)
ではそれぞれ順番に詳しく見ていきます。
まずは、一番簡単な三元牌から。
三元牌は常に役牌
三元牌と呼ばれる白、撥、中は常に役牌となります。
三元牌(白、撥、中)
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なので非常に便利でわかりやすい牌ではありますが、逆に他の人にとっても役牌の種となるので、競合しやすい牌でもあります。
この三元牌を全て3枚ずつ集めると大三元という役満になります。
ちなみになんでこの3枚いつも役牌なの??というと特に由来はないみたい。まあ、そう決まってんだなと覚えちゃいましょう。
風牌は周回数(場風/荘風牌)と自分の方角(自風牌)がある
続いては、やや難しい風牌についてです。
風牌(東、南、西、北)
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東、南、西、北の4牌は漢字的には方角を表していますが、用語的には「風牌」と呼びます。
この風牌が役牌になるかどうかは、場風と自風という2種類の切り口を満たすかどうかによります。
それぞれ解説します。
場全体のタイミング:場風牌
まずは場全体のタイミングを表す「場風」についてです。

麻雀のルールでは、
- 親を一回りしたら終了の東風戦
- 親を二回りするまで続く半荘戦(東南戦)
のどちらかが一般的です。
そして半荘戦においては、親が1周目なのか2周目なのかがわからなくならないように、起家マークというものを用いて管理します。

この起家マークは表が「東」、裏が「南」となっており、1周目なら場風は東となり、2周目では場風が南となります。
なので、起家マークが東を指している親1周目の回りでは東を集めれば役が付き、起家マークが南を指している親2周目の回りでは、南を集めれば役が付くというわけです。
こうなっていたら東場なので東に役がつきます↓


ちなみに場風牌は通称は「役牌」とコールされますが、カッコよく正式名称でいうと荘風牌といいます。
自分の立ち位置によって変わる:自風牌
もう一つ風牌が役牌となる条件は、自分の座っている場所にあった牌を集めることです。

麻雀中の座り位置は、親を起点として、以下のようになります。
- 親・・・東家
- 親の右隣り・・・南家
- 親の向い・・・西家
- 親の左隣り・・・北家
なので、このそれぞれの自分の方角に合わせた風牌を3枚集めると「自風」という役が付きます。
自風がどこなのか、というのは場風のように表示されないので初めのうちは慣れないかもしれませんが、親から順にツモ順で東⇒南⇒西⇒北と変化すると覚えましょう。

自分の位置が分かるアモスコンパス↓

この自風牌は、他の人と競合しない自分だけの役牌となることもあるので、マスターすると便利です。
場風と自風が被ったら?
ちなみに、場風と自風はそれぞれ独立しているので、どちらか一方を満たせば役がつき、もし場風と自風が被った場合は2役つきます。
この場合はダブ東とか、ダブ南といいます。
役牌での上がり方!コツは字牌をポンすること
最後に具体的な役牌の上がり方のコツを紹介します。
コツは以下の2つです。
- 役の付く字牌を鳴く
- でない場合先に他を埋める
それぞれ見ていきましょう。
役の付く字牌を先に鳴く
まずはオーソドックスな方法として役を先につける形です。
役牌が2枚ある場合に誰かからその牌が出たらポンをします。
これをポンする↓

そしたら役牌が3枚になるので、あとは適当にメンツを作って行けば上がれます。
これがもっとも安心!
なお、1枚出たらすぐ鳴いてしまう(ポンする)のがおすすめ。
こんな感じで無限に出ないこともあるので…。

役以外のメンツを先に埋める
続いてはちょっとイレギュラーな方法として役以外を先に埋めるやり方です。
役牌が配牌で2枚ある場合などは役牌が誰かから出れば鳴けますが、なかなか出ないこともあり得ます。
そんなときに役牌を出てから他の牌を鳴こう…と考えているとスピード負けしてしまいます。
そこでそんなときは役牌以外のところを先にチーやポンして埋めておき、あとは役牌だけという形にしてしまいましょう!
これはチー↓
(ターツが足りてるので)

これもチー↓
(苦しい形を解消するため)

これを専門用語で後付(あとづけ)と言い、上級者はたいてい使っている知る人ぞ知る技術です。
まとめ!役牌は3種類あるので使い分けで行こう!

ここまで役牌についてまとめてきましたがいかがだったでしょうか。
本記事の内容をまとめると、以下の通りです。
役牌には3種類がある
- 常に役牌の三元牌
- 起家マークに示された場風牌
- 自分の方角に合わせた自風牌
※場風と自風は複合する!
そんなところです。
まあ、もし分からなくなったら、
と聞けば上級者の人が教えてくれるはず。
そのうち勝手に覚えられると思いますので、ぜひめげずに役牌を集めていきましょう!