エッセイ

卒業を控えたある日、不意に単位が足りているか不安になる

大学4年のころ。

卒業を控えたある日、不意に単位が足りているか不安になった。

後期の単位申請のときに何度も数えたし、必要単位より多く少し余裕もとってある。間違えているはずがない。

しかしなんか妙に不安になった私は、同期を誘って行きつけの雀荘を訪れた。

「ここに来るのも、もうそんなにないのか・・・」
「お前は来年も来るんじゃね・・?」
「おいおい、やめろって」

そんな軽口をたたき合いながら、私たちは麻雀を打つ。

卒業後の進路はそれぞれで、普通に就職したもの、海外に行くもの、付属の大学院に進むもの、大学に残るもの(留年確定)、外部の大学院に出るものなど本当に色々だった。

よくわからない進路のものや残留するものもいるが、確かなのは、少なくとも今後はこんな気軽には集まれなくなるということ。

それはみんなわかっている。
だからこの年の瀬の忙しいときになんだかんだ言いながらここに集まっている。

その時ふと思う。

怖かったのは単位じゃない。
大学生活が終わること、皆がそれぞれの道を行く日が近いということが、単位の不足という形で不安をあおっていたのだと気が付いた。

なんだ、そんなことか。

さんざん麻雀を打って、メンタルを鍛えてきたってのに、これじゃまだまだ甘いな。

本当にそう思う。

でももう大丈夫だ。

あと数か月、悔いの残らないようにすればいいだけのことだ。
麻雀と同じ。できることは人事を尽くして天命を待つことだけ。

4年の後期、麻雀で言えばオーラスだ。
「さあ大学生活のオーラスを始めよう!」

って言ってリーチ打って大四喜に振り込んだ。
大四喜なんて初めて見たよ。

なんか嫌な予感してたんだよな我っていいながら、ラーメン喰って帰ったそんな一日。