ベタオリという技術があります。
要は自分の和了をあきらめて、相手に振り込まないように打ちまわす技術のことです。
ポーカーとかだったらフォールドと言ってカードを捨てれば終わりですが、麻雀ではそうもいきません。
逃げるのにも技術が必要になります。
このベタオリが地味ですが、非常に奥が深い分野です。
ベタオリ力を見れば麻雀の実力の半分はわかるといっても過言ではないほどです。
まず基本的な現物切りから、スジ、カベなどの初歩の理論につながり、序盤の外側とか、スライド読みとか暗刻落とし、といったように、徐々に読める範囲が増えるにしたがって安パイの種類も増えていきます。
理想としては、当たり牌以外すべて安パイみたいな世界になるんでしょうか。
そこまで行ったら逆に麻雀がつまらなくなりそうですが、その境地を目指し様々な理論が日々開発させれているのがこのベタオリという分野です。
今日はそんなベタオリの基本と、オススメ本についてまとめました。

目次
ベタオリの基礎!まずは現物切り
オススメのベタオリ本に入る前に、まず覚えるべきベタオリの基礎の基礎としての「現物切り」について紹介します。
麻雀では相手がすでに切っている(河に捨てている)牌を現物といい、ルール上フリテンとなるので相手は和了できない牌となります。
なのでベタオリしたい場合は、この現物を切ればよいわけです。
ただ、その現物ですが無限にあるわけではありません。いずれ尽きます。極端な場合、ダブル立直であれば現物はゼロ。
でも大丈夫。現物がない場合のベタオリの方法として、様々な理論が麻雀にはあるからです。
両面であたらない「スジ」とか、「壁の向こう側」とか、一巡通れば3通る「暗刻落とし」、とかそういう呪文を覚えると安パイの種類は格段に増えます。
この辺の話は初心者向けの麻雀本であれば大体書いてるのでどれか一つを通読すれば、とりあえず身につくはずです。
この辺の理論を学ぶ本としては個人的には以下の1冊『勝つための現代麻雀技術論』がオススメ。
体系的にまとまっていて、内容が多いわりにわかりやすいです。
ベタオリの初級編:完全安全牌と比較的安全な牌の区別は厳密に
基本的なベタオリの理論を理解したあとに注意したい点としては、完全な安パイと比較的安パイに近い牌の区別です。
安全だと思って打った字牌で七対子に刺さったり、リーチ者の現物を切って他家に振り込んだりするのはもったいないので、しっかり区別していく必要があります。
例えば、序盤に2sを切っている状態での1sとか6sを切っている状態の9sとか、2枚切れの字牌とかは、完全には安パイではありません。
完全に安パイなのは以下の3種類だけです。
- 1.全員の共通安パイ
- 2.上家に合わせ打ちした牌
- 3.論理的に和了の形が存在しない牌
それぞれ簡単に説明します。
1の全員の共通安パイについてですが、自分以外の3人が全員西をきっている状態であれば、西は共通安パイであり、完全に安全です。
それ以外のリーチの現物などは、その人にとっては安全ですが、他家から和了される可能性がゼロではないので、厳密には安パイではありません。
2の上家が打った牌に合わせた牌ですが、これもフリテンのルール上絶対に当たりません。
麻雀漫画などでは、上家の打った白に白を合わせ打ちしたら鳴かれてパオを取られたりすることもありますが、現実ではほぼあり得ないので安全です。
ただ、ほかの人のツモを挟むと山越しがあるので厳密には安パイではなくなります。
3の論理的に和了の形が存在しない牌ですが、これは例えば国士がない場合での4枚目の字牌や、7sが4枚見えて壁ができている状態での手牌に4枚ある8sなどです。
この3種類以外はすべての牌は少なくともリスクは0%ではないです。
ベタオリをする際は、比較的安全な牌と完全安パイを区別して、確実に降りることが重要です。
中級者以上にオススメのベタオリ本まとめ
ここからは中級者以上にオススメのベタオリが学べる麻雀本を紹介していきます。
具体的には以下の通り。
安パイのない場面のオリを学ぶ!「麻雀 魔神の読み(渋川 難波)」
まずは渋川 難波プロによる魔神の読みです。
手牌は12枚で打ち、1枚は安パイとしてもっておく、安パイがない場合は、一枚通れば数巡は安全となるトイツや暗刻を落とすといったようなベタオリの基本をかなりわかりやすく説明してくれている1冊です。
他にも、4が切られて大分してから2が切られた場合、「112+リャンメンターツ+頭」の可能性があるのでこの場合の1はかなり危険。
とか、立直後の筋になった場合(立直後に6がツモ切られた場合の3)はリーチ前に切られた筋ほど安全ではないというように読みの基礎となる法則を詳しく解説してくれているので、本書を読むと現物がない場合でも比較的安全な牌を選定することができるようになります。
安パイがないときに打った牌が刺さり勝ちという人は本書がオススメ。
役ごとに読む!滝沢和典の麻雀読みの公式
続いては滝沢和典さんによる「麻雀読みの公式」です。
本書では、対々和はソバテンが多い、ホンイツは1枚溢れたところが聴牌というように、各役ごとに、こう読むとよいという公式をまとめてくれている1冊です。宣言牌がソバテンになるケースとならないケースの違い、字牌の切り順から読み取れる情報などについても知ることができます。
また、大きくへこんでいる相手は高い手を狙いがちになるなど、人の行動についても読みを公式化してくれます。トータルラス目が両面チーをして1000点なはずがない、というのは当たり前だけど意外と忘れてたなーと本書を読んで思いました。
隠れた役の見つけ方などについても書かれているので、相手の役を絞り込むのが苦手という人にオススメ。
天鳳民必見!絶対にラスを引かない麻雀 ~ラス回避35の技術~
ベタオリは突発的なリーチに対応するだけでなく、悪配牌時に手を広げすぎないで安パイを抱えるといった事前準備も重要です。
安パイに困らない人は安パイが困らないように打っているのだということが本書を読むとわかります。
絶対にラスを引かない麻雀 ~ラス回避35の技術~ (マイナビ麻雀BOOKS)
本書では天鳳位の雀クレイジー氏、独歩氏、かにマジン氏をゲストに呼び、他家の濃い仕掛けに対して4巡目からどう降りるか、とかリーチをかけるかどうか、など、判断の迷いがちな場面を解説しつつオリについて35個の技術を紹介しています。
本書を読むと、ラスを引かないためには、ベタオリだけでなく、適切な場面での押しが大切だということがわかります。断トツに点数があれば、正直配牌オリでもいいくらいですが、そうもいかないのが麻雀の難しいところ。
攻撃は最大の防御とも言うことばが浮かんできました。
ぜひ本書を読んで、押すべきポイントと引くべきポイントをマスターしましょう。
ベタオリの天敵を知る『黒いデジタル麻雀』
この本では、デジタル派の読みを逆手に取る打ち方を「黒いデジタル麻雀」としてベタオリする相手を振り込ませる方法について詳しく書かれています。
黒いデジタル麻雀 ~現代流データ戦術を斬る~ (マイナビ麻雀BOOKS)
なので本書を読むことで逆によくあるひっかけであったり、スライドの意味などを読み取ることができるようになりベタオリ力を上げることができます。
また、本書では牌の危険度を18段階にわけて一覧化しているため、危険度の基準を体系的に知ることも可能。逆に黒いデジタル麻雀ではこの危険度を作為的に入れ替えることで嵌め手を作ります。
なぜか嵌め手に吸い込まれてしまうという人にオススメの1冊。
続編もあります↓
上級者向けのベタオリ本 ~天鳳位が語る麻雀・守備の極意~
最後はかなり上級者向けのベタオリを紹介します。
それがこちらの天鳳位のしゅかつ氏によるオリについての本。
オリ本 ~天鳳位が語る麻雀・守備の極意~ (マイナビ麻雀BOOKS)
解説を簡単に紹介するとこんな感じ。
本書は第9代天鳳位であるしゅかつ氏が「オリ」について語った一冊です。
とはいえ「相手から攻め込まれた瞬間」にどうやってオリるかを解説したものではありません。その前の段階や後の段階の技術(=大局観)を総合的に説明することで、押し引きを点ではなく線で捉えられるようになっています。
それと同時に、「こんなケースでは思考停止でベタオリで良い」といった考えなくて良いケース、というのも説明しています(=システム化)。
これらの大局観とシステム化の両輪によって本書はより汎用的なオリの技法を説いたものとなり、これまでの麻雀の守備戦術本とは一線を画す、ハイレベルな内容になっています。
本書で現代麻雀の最高レベルの「可能な限り失点を防ぐ技術」を体得してください。
とのことで、ワンランク上のオリ技術が期待できそうですね。
まとめ。ベタオリに終わりはない!さらに高みを目指そう
ベタオリはあらゆるルールの麻雀で必須のスキルです。特に天鳳ではベタオリ力だけあれば鳳凰卓までは行けるとも言われており、ベタオリは非常に重要です。
ぜひベタオリ本を読んで人生の振り込みを回避していきましょう。
ではまた。良い読書ライフを!
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