2023年5月発売の新刊『誰が麻雀界を潰すのか?』について紹介します。
麻雀界=プロ業界として、その現状の課題と今後の在り方などについて書かれた本です。
主に著者の黒木プロのNoteをまとめたものなので、そちらを購読している人は目新しくないかもしれません。
以下で詳しく見ていきます。
>>[8ジャンルに分類]麻雀本・戦術書のおすすめレビュー59選!さらに激選の18冊は必見!
目次
『誰が麻雀界をつぶすのか?』とは?
まずは概要を簡単にまとめました。
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タイトル | 誰が麻雀界をつぶすのか? |
---|---|
著者 | 黒木真生 |
出版社 | 竹書房(近代麻雀戦術シリーズ) |
発売 | 2023/5/6 |
内容 | 麻雀プロ業界に関するあれこれ。主にNoteの内容 |
麻雀界は、「プロ麻雀業界」を指しています。
麻雀というゲームそのものではなく、雑誌の『麻雀界』でもないのでその点は注意しましょう。
もしあなたが「麻雀は好きだけど仲間内のセットだけ」「プロの名前は1人もわからない!」というタイプの打ち手であれば、本書の問題提起から「は?」って思うかもしれません。
ただ少しでもプロと関わりがあったり(知り合いがプロになった、フリーで行く先に来ていた、Mリーグはみている等)、プロの世界に興味がある人であれば、本書の内容は非常に勉強になります。
そういうのを知りたい人におすすめです。
『誰が麻雀界を潰すのか?』の本レビュー、読んで思ったことまとめ
読んで思ったこと、考えたことをまとめました。
読んでないと何のこっちゃかもですが、まあこんな感じの話があるんだなぁくらいの参考になれば(幸いです)。
リー牌について
放送対局時のみやすさで言えば「完全リー牌」が理想ですが、ただそれだと読まれる(かもしれない)問題があります。
これについては2つの方針があると思っていて、中途半端のままはあまり良くない気がしています。
- リー牌をしなくても画面上ではリー牌した形が確認できるようにする
- 衝立(ついたて)などを導入し、完全リー牌でも読まれないように工夫する
1つ目は多分技術的には無理ではないです。画像認識で並び替えるくらいならすぐできそう。ただ、運用としてそれを毎回行うのはコストとか大変さとかで却下されそう。
2つ目の衝立等の導入は、一般の対局であればすり替えがー(起こるからいやだ)みたいな話が出そうですが、放送対局に限って言えば、撮影されているため可能です。
でも、「しかしそれでは本来の麻雀のゲーム性が云々」という意見は必ず出そう。
なのでおそらくは、変えたときのデメリット(めんどくささ)が減らない限り変化が起きない。(衝立ありの)卓が開発されるなど外的な圧力があるとよさそう。
Mリーグ2部について
スポンサー企業が大きいのを考えると、入れ替え制の2部は確かに厳しそう。
一方で、ジュニアチームとしての2軍はかなりありだなと思いました。
実際、ほとんどのチームでは、チームオーナーの他にもオフィシャルスポンサー(ユニフォームに名前を入れている企業)がいるので、そこでチーム戦をしつつ、次のMリーガーを選出するみたいなのはよさそうな感じがしました。参加したいプロや企業は意外と多そう。
IKUSAのような感じで、かつアマチュアでもチーム組んで出られるようにしたりも面白そう。雀荘と提携して上位者でチーム組むなど。
ライト層とコア層問題
解説については、2つのチャンネルを用意するのが理想だと思っています。
- ガチチャンネル・・・すごいマニアックな解説。トッププロ。
- エンタメチャンネル・・大衆向けにわかりやすい+面白い解説。日吉プロ。
費用が嵩むなどはあると思うので、ガチの方を有料(ABEMAプレミアム限定)とかが良いのかなと思いました。
Youtube同時視聴(音だけ)とかもありますが、やっぱり公式であると良いかなと思う。また、麻雀のガチ勢(特にネット麻雀派)は一見するとあまりお金を落とさないように見えて、実は強くなるノウハウへの課金は惜しまない傾向がある。そのチャンネルが本当に有益なら必ず客はついてくる(と思う)。
あと、グッズは野球でもライト層がよく買うは確かになと思った。麻雀グッズのイベントをした際なども実際そうでした。
(麻雀打ちに訴求したグッズが出せていない問題もありそう)
目無し問題
これについては、完全にルールの不備だと思っています。
「普通こうする」みたいな(プロ団体の)内輪のノリを放送対局で出すのは歪な感じがします。
具体的な解決策として、本書では以下の2つが挙げられており、合わせるとよさそうな感じがしました。
- 滝沢式・・席順を調整
- RMU式・・上がり者がトップでなければ続行
個人的には、コールドの条件を設けて満たさない人は消えていく(サンマになるor終了)などもありかなと思っています。(ゲーム性が変わりすぎると言われそうだけども)
実力出にくい問題
これについては、実はメリットだと思っています。
と言うのは、タレント(芸能人)を誘致しやすいからで、将棋や囲碁ではそうはいかない。
業界内にいる人(競技プロ)としては、飛び級で次々と人気者が参入してきたら、たまったもんじゃないかもですが、麻雀を普及させるという意味ではメリットかなと思いました。
Youtuberでも何でもそうですが、最終的に業界が盛り上がってきたら、芸能人との戦いになるのは避けられないので、本書内でも書かれていたように「人生を魅せる麻雀打ち」になることが重要そう。
実力については、より難解で新しいルールをその場で伝えて行ってもらうなどをして、地頭のよさ(?)を競う形にしたらある程度は出せそうな気もする。
クラシックなルールでは無理(だと思う)。すごい技術革新が起きたら、数半荘打った結果を元に再現したコンピューターに数千半荘を打たせて、統計的に優位な差を出すみたいなのも30年後くらいにはできるかも(適当)
民度悪い問題
麻雀業界(特に雀荘のおっちゃんたちとABEMAのコメント欄)の民度が悪いのは確かにあるなと思います。
ただ、新しいMリーグファンについてはかなり民度が良い印象です。(特に現地に来るような人について)
民度に関しては、個人的には、民度の低い層を省くor棲み分ける以外に改善のしようがないと思っていて、もしやるなら以下の2つかなと思っています。
- 民度の低い層がついてこられない価格設定にする
- 民度の低い層がついてこられない斬新で難しいルールを採用する
これらをすれば、昔麻雀をかじった人と今麻雀をしている人の棲み分けができます。
ただ麻雀のコンテンツの強さは過去のブームによる競技人口(ルールが少しでもわかる人)の多さがあるので、メリットは消えてしまうと思います。
もし新団体を作って「実力主義な方針でいく!」みたいな感じの時はこのやり方がよさそうな気はします。
終わりに
本書を読んで思ったこととして、セット麻雀上がり(←あえて出身を表現するとしたら)の自分にとって、麻雀プロ業界は関わりのないものだったと言うことでした。
大学生で麻雀を始めた当時の自分にとって、麻雀業界とは、
- 麻雀を打つための設備としての雀荘、麻雀牌、マット、卓等
- 麻雀を打てる友達
- 打てる友達がちょうど集まらなかった時のフリー雀荘
くらいで完結していました。
おそらくそういう人は結構多くて、実際、サイトのアクセスはGWや年末年始になると、初心者向けのクエリを中心に跳ね上がります。
(半年に1回くらい麻雀を打っている人が多いんだと思います。)
そんな人にこそ本書を読んでみてほしいです。知られざるプロ雀士と団体の、さらに裏側を知ることできます。
麻雀を事業化するのって大変なんだなというのがわかると思います。
ただルールは早く整備してほしいです。ポーカーに全てを持っていかれる前に。
そんな感じ。ではまた。良い麻雀ライフを。
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本まとめ↓
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