麻雀打ちの人生で一度は打ってみたい憧れの牌として象牙牌というものがあります。
ゾウを保護するためワシントン条約で輸入が禁じられており、国内ではなかなか手に入らないため、オークションなどでは何十万円というような高値で取引されることも。
今日は
という人に向けて、象牙牌を
- 合法的に入手する方法
- 偽物を掴まないための注意点
について紹介していきます。
目次
象牙麻雀牌とは?現在では高級な歴史や見分け方について
まずは象牙麻雀牌とは何かについて簡単に説明します。
象牙牌というのは、まあ、その名の通りゾウの牙で作られた麻雀牌です。
象牙牌を作るには何匹のゾウが必要?
と思われるかもしれませんが、実は1匹で十分です。
ゾウは非常に大きな生物なのでその牙も巨大なものだからです。
例えばヤフオクで落札されていたとある象牙牌は牌の重さが全部で1.3kg。これに対して象牙の大きさは、アフリカゾウの場合、長さが3m,重さ90kgということで、一本の象牙から何ダースもの牌を作成することが可能となります。
象牙麻雀牌はゾウが年々成長するにしたがって、木の年輪のように縞模様が入っているのが特徴です。
象牙牌は一匹の像から何セットも作れる
象牙製品の歴史は意外に古い
象牙の歴史的としては、6世紀ごろに中国から輸入された装飾品が始まりといわれており、ゾウがいない日本でも結構歴史の長いアイテムみたいです。
しかし、その後象牙目的でのゾウの乱獲により個体数が激減。
結果、ワシントン条約により1975年にアジアゾウ、1990年にアフリカゾウの象牙製品はすべて輸入禁止となりました。
なので、現在日本で流通する象牙麻雀牌は、
- 1975年以降に正式に輸入されたもの、
- 1975年以降(アフリカゾウは1990年以降)に密輸入されたもの
のどちらかになります。(条約締結前に輸入されたものの流通は許可されている)
このワシントン条約締結後に象牙の価値はさらに跳ね上がり、象牙を用いた麻雀牌は、現在では超高級品として知られています。
ちなみに余談ですが、環境省はその後2度だけ輸入したことがあるそうです。
「1999年と2009年には、生息が安定し絶滅のおそれの少ない個体群と位置づけられている南部アフリカ諸国のアフリカゾウのうち、自然死した個体などから集められた象牙が、条約の締約国の会議における決定に基づき、厳正な管理の下で日本に輸入されました」
引用:環境省HP
売り上げは条約に基づくルールに従い、全てアフリカゾウの保全と生息地や隣接地に暮らす地域住民の開発計画のために使われたそうです。
象牙牌は過去に輸入されたもののみ流通可能
登録証のない象牙製品は違法
最近さらに象牙の管理体制が強化されたみたいです。
平成30年6月1日より、「種の保存法」改正に伴い以下の変更が実施されました。
ア)象牙製品等の製造販売事業について、現行の届出制を登録制に変更。登録申請には審査があること、5年毎の更新制とすること、法令違反により登録が取り消された場合は、その後5年間再登録不可となること。
イ)事業者が所有する全形牙の登録の義務化。
ウ)象牙のカットピース等の管理票作成を義務化。
エ)象牙製品等の広告・販売時の登録番号等の表示の義務化。
オ)事業者登録簿の公開。
カ)象牙取扱事業者に対する罰則の強化(懲役刑の新設、罰金の引き上げ)。
引用:環境省HP
重要なのは、事業者は象牙製品を登録せねばならず、密輸など刑罰が厳罰化されている点です。
ネットなどで登録証がないものは違法になるので注意していきましょう。
登録証がない象牙製品は違法になる
高級象牙麻雀牌の偽物の見分け方
登録制となっている象牙ですが実は偽物もけっこう多いです。
牛の角を象牙だと偽ったりとか、新象牙と呼ばれる別の物質で象牙に似せて作ったものなどが出回っています。
自分は専門家ではないので、
と見せられてもよくわからないのですが、ここでは一般的に言われている象牙の本物と偽物の見分け方について紹介します。
まずは麻雀牌になる前の象牙の見分け方から。以下の3つのポイントです。
◆象牙が本物かどうか見分けるコツ(牌になる前)
- 象牙取り扱いの証明書があるか(自然環境研究センター発行「象牙の登録票」)
- 表面に縞模様がある
- 象牙の先端に小さな黒いくぼみがある
あとは、まっすぐすぎるものとか、黄ばみがなく白すぎるものとかも偽物の可能性が高いそうですね。
上の3つのポイントのうち、象牙の取扱証明書があるかどうかと、表面に縞模様があるかどうかは麻雀牌になっても判別可能なので、ここを主に見ていくのが重要です。
象牙麻雀牌の見分け方のポイントをまとめると、以下の通りです。
◆象牙牌が本物か見分けるコツ(牌になった後)
- 牌の表面に格子状の模様がある(牌になると格子状)
- 象牙取り扱いの証明書がある
まあ、素人がみてもたぶん分からないので、もし家に象牙牌があるというような人は専門家に見てもらうほうが無難ですね。
◆参考記事(外部サイト)
以下の会社では鑑定費用1000円で見分けてくれるそうです。
https://www.o-shodou.com/item/zouge_kantei.html
高級象牙麻雀牌を合法的に入手する3つの方法(値段の相場は20万円〜)
では、象牙事情をおさらいしたところで、象牙麻雀牌の入手方法に入っていきます。
象牙麻雀牌を入手する方法は、今のところ3つあります。
それぞれについて説明していきます。
1.1990年以前の輸入製品をオークションなどで購入する
まず一つ目の方法としては、ワシントン条約によって輸入が禁じされる前に輸入された牌を、オークションなどで競り落として購入する方法です。
予算があれば一番手っ取り早い手段かなと思います。
用意する予算としては、ちょっと調べてみた限りでは、確認できるものとしてヤフオクで20万円で落札されているケースがありました。
aucfanというオークション比較サイトでの統計によると、20~30万円くらいで落札されることが多いみたいですね。
ただし、牛骨牌などを象牙だとして偽ったり、勘違いしたりして出品されているケースや、新象牙牌と呼ばれる象牙に似せて作られた練り牌などが紛れ込んでいることもあるので注意が必要。
また、国内の象牙製品の取引に関しては、届け出を行っているもののみが可能であり、登録をせずに取り引きを行った場合は、(インターネット上の取引であっても)種の保存法違反となる可能性があります。
相場から安すぎるものなどは避け、安心できる出品者を選択して取引していきましょう!
2.象牙の生産地で購入する(輸入は不可)
象牙の輸入は禁じられていますが、これは世界共通の原理ではありません。
具体的には、アフリカゾウやアジアゾウの住む地域、つまり象牙の生産地では象牙製品が販売されていることもあります。
なので、現地に飛んで購入し、そのまま現地で麻雀を打つことは合法です。
ただ、日本に持ち帰ることはできないので、現地で倉庫とかを借りて保管する必要がありますが、象牙麻雀旅行とかをすることは可能となります。
ボツワナ、ナミビア、ジンバブエ、南アフリカ共和国のアフリカゾウについては、比較的個体数が多いといわれており、絶滅危惧種としてのレベルも一段階緩和されています。
なので、これらの国では他の国よりも象牙麻雀牌が売られている可能性が高いかもしれませんね。
3.マンモスの牙で麻雀牌を作成する
象牙牌を手に入れる第3の方法は、マンモスの牙を用いて麻雀牌を作ることです。
既に絶滅したマンモスに関しては、ワシントン条約によって絶滅危惧種に指定されていないため、マンモスの牙を手に入れても罪に問われることはありません。
『マンモスを再生せよ』という本によると、むしろアジアゾウやアフリカゾウを絶滅から守るため、積極的にマンモスの牙を使うように求められているくらいとのこと。
まあ、たぶん法律で合法化されているというよりも、例外的で規定がないというのが正直なところだと思うので、今後の動向には気を配っていく必要がありそうです。
ちなみに、マンモスの牙は主に北極エリアで手に入るそうで、ヤクート族という人たちがマンモスの牙の発掘のスペシャリストとのこと。
彼らの採取したマンモス牙が主に中国などに輸出されているようです。
相場としては、1ポンド(454g)で500ドル程度とのことで、製作費は別途かかりますが、意外と現実的な価格でマンモス牙麻雀牌を手に入れられそうですね。
マンモスの牙を製造業者に持っていくというのはある種確実な方法ではありますので、確実性をもとめる人におすすめの方法です。
終わりに:象牙麻雀牌レンタルビジネスもあり?とりあえずヤフオクへGO!
ここまで象牙麻雀牌について書いてきましたがいかがだったでしょうか。
マンモスは合法というのは自分も驚きました。
なんで何万年も前のマンモスの牙が残っているのかというと、マンモスはかなり寒い地域に生息していたので、死ぬと同時に冷凍されているような感じで、保存状態がいいものが多いそうです。
現状数に限りがあることには変わりがないですが、マンモスを再生させるプロジェクトとかも走り出しているそうですし、今後は象牙麻雀牌がより手に入りやすくなるかもしれませんね。
あと、最後にちょっと考えたのですが、コレクターでもなければ象牙牌は欲しいというよりも、ちょっと一回打ってみたい、という人のほうが多いかと思います。
なので、象牙牌のレンタルとかやったらいいんじゃないかなと思います。原価20万円で1時間2000円とかで貸せば、100時間で元が取れます。耐久性は不明だけど、直感的には割とよさそうな気がする。
雀荘とかでも一卓だけ手積みの象牙卓とか作ったら楽しそうですね。
と、取りとめないことを述べつつ終わる。