麻雀本

ノンフィクション小説『麻雀激闘記ギャンブル坊主がゆく』が面白かった

大学の仏学科に通う学生であり、寺に住み込みで修行する坊主でありながらも、さらにギャンブラーとして雀荘や競輪などの賭博場に通い詰めたという著者のノンフィクション小説が『ギャンブル坊主がゆく 麻雀激闘記: 人生に必要なことは、すべてギャンブルで学んだ!?』です。

前にパラパラと流し読みをしたことのある作品ではあったのですが、今回はじっくり読んでみました。

そしたら、以前流し読みしたときにはわからなかったこの本の面白さが感じられました。

結論から申しますと、この本はかなりよいです。

『ギャンブル坊主がゆく麻雀激闘記』の内容

この『ギャンブル坊主がゆく麻雀激闘記』という本がどんな内容なのか、というのを簡単に解説します。

著者は現在は身延山の高僧であるひぐち日誠さん。

著者の学生であり、かつ坊主修行時代の経験を描いたノンフィクション小説です。

本書は、同じくギャンブルノンフィクション小説の『麻雀放浪記』と通ずるところがけっこうあります。

『麻雀放浪記』ほど血なまぐさくはないですが、巷の人たちとギャンブルを通してかかわって行ったり、鉄火場でのトラブル、ギャンブラーとしての強者たちとのつるみ、などが描かれています。

流れとしては、雀荘に行って全然勝てない小沢さんという打ち手に出会い、師匠としてついていくようになり、師匠に連れられて競輪を始めたり、また雀荘に戻ってきて別の強者との戦いを振り返ったり、というような流れです。

初めは坊主×麻雀という意外性だけで売っていこうとした作品なのかな、と思ったのですが、しっかり読んでみるとかなりアツい本であることがわかりました。

麻雀の描写とかもかなり詳細で、ちゃんと牌のフォントを使っているので読みやすい点も魅力。

個人的に面白かったエピソード

本書を読んだ中で個人的に面白いと思ったエピソードを1つ紹介してきたいと思います。

著者行きつけの雀荘で喧嘩が起こり、客の一人が別の客をナイフで刺してしまうという事件が起こった時の話です。

そこに居合わせた著者は足が震えてその場にいただけだったということですが、著者の師匠である小沢さんや極道のシュウさんなどは、その場をさっと納めます。

まず怪我の様子を見て、命に別状がないことを確認すると、加害者を張り倒しナイフを取り上げる。そして「警察には連絡しないから安心しろ、ただお前はちょっと残れ」と加害者に告げて闇医者を召喚。

その場で闇医者がさっと傷を縫合し、喧嘩両成敗で治療費を加害者と被害者に半分ずつ出させて解決、という手際の良さ。

その間、ほかの客には迷惑をかけないから、普通に雀荘営業を続けていてよい、とも言っており鮮やかすぎる仲裁に感動しました。

ちなみに著者自身の気づきとして、そういったトラブルの場面でいつも通りに動ける強い人間と、冷静でなくなってしまう弱い人間がいるということを学んだといっており、普段カモになっているサラリーマンの客が、意外にも冷静だったのが印象的とのこと。

麻雀の強い弱いと火事場の強さは別物なのかもしれないな、と思いました。

ギャンブル坊主の別著作

ちなみに、同じ著者の別作品も実はあります。

同じく坊主×別分野として、『釣り坊主がゆく』、『釣り坊主、今日のゆく』などの釣り系や、同じく破天荒系エピソードをまとめた『破天荒坊主がゆく』です。

テイストとしては同じだと思うので、本書を読んで面白かった人や釣り好きな人はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

終わりに

本書では、小沢さんがガンでなくなるところまでで物語が終了していますが、エピローグで語られる無事坊主となったあとの著者の立ち回りもかなり面白いです。

全体として、ギャンブラー小説としてかなり高い水準にある本だと思うので、麻雀打ちの人はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。