組合主催の「麻雀店営業講習会」なるイベントが年1回開催されています。
そこでは、警察の担当者や警察OBの方などがきて、雀荘オーナーに向けて麻雀店が守るべき風営法のポイントなどを解説してくれます。
自分も(雀荘やっていないけど)2022年、2023年のイベントに参加してきたので、一部内容をまとめました。
7月13日(木)に、「東京都麻雀業協同組合」主催による麻雀店営業講習会があります。この会は、管理者講習とは別に麻雀店営業に絞った内容の講習会で、警視庁と連携し毎年開催させて頂いているものですが、例年一人の担当官が昨今の風俗営業状況や禁止行為等お話しされるところ、今回はもう一方別に、… pic.twitter.com/Uo7A8x0m3n
— 髙橋常幸@全雀連理事長・麻雀界編集長 (@joukou0905) July 4, 2023
目次
前提:麻雀店は風営法に縛られている
麻雀店は「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(風営法)の管轄内となります。
なので、一般のお店とは異なるルールがいくつもあり、それを守らないと処罰されてしまいます。
例えば、
- 照明が暗すぎるお店はだめ
- 18歳未満の立入禁止
- 深夜営業の不可
などがあります。
営業に際しては、あらかじめ許可を取得し、OKが出てから開業できるという運びです。
麻雀店の健全営業のためにしたらダメなことまとめ
風営法的にやったらダメなことをまとめました。
- 名義貸し
- 深夜営業
- 賭博
- 賞品提供
- 無承認の構造設備変更
- (健康麻雀店の)無許可営業
それぞれ見ていきましょう。
名義貸し
麻雀店を営むものとして登録した人以外が運営してはならないというやつです。
厄介なのは個人で営む場合で、
- 死亡時以外に変更ができない点(風営法許可の取り直しが必要)
- 変更時も家族にしか引き継げない点
などがあるので注意しましょう。
法人の場合は役員変更で引き継げるので、法人営業にしてしまうのもおすすめ。
営業許可の取り直しとなった場合、同じ場所であっても許可が降りない場合(保育園などができており、今までは既得権でなんとかなっていた)もあります。
あと引き継ぎ先として、長年勤めたメンバーなどは家族じゃないからダメですとなるそうで、その辺も要注意。
深夜営業
24時間営業とかするとアウトです。
東京の場合だと、以下の時間帯は営業ができません。
- 繁華街エリア:1:00-6:00
- それ以外:0:00-6:00
※祝祭日を除く
深夜営業については入り口に鍵をかけて深夜営業をしていたお店は営業停止処分になったりしており、23時以降にお客さんを入れなければセーフとかではないです。
賭博
賭博は「個別の法律で規定されている場合を除き、禁止」されています。
「場所代と称して金銭を徴収した」として摘発されているお店がいくつもあります。
その場合、オーナーと従業員は「賭博開帳図利罪」、お客さんは「単純賭博罪」となります。
※競馬やパチンコは規定があるが麻雀はないのでだめ
お客さんへレートの説明をしていたり、射倖心を煽るルール(金、花)をしていたり、お店の店員が代打ちをしたり、卓上でお金が飛び交っていたりすると、お店も関与していると見られるそうです。
賞品提供
「遊戯の結果に応じて賞品を提供してはならない」と規定されています。
理由としては射倖心を煽るためで、どこまでがセーフかでいうと「財産的価値があるかどうか」だそうです。
(明確な基準はないっぽい)
無承認の構造設備変更
雀荘オープンに際しては、事前にレイアウトを作り、警察のチェックを受けます。
なので、その構成を勝手に変更するのはダメです。
具体的には、個室を勝手に作ったりしてアウトとなったケースがあります。
無許可営業
風営法の許可を取らずに営業することを指します。
そんなことあるん??と思うかもですが、健康麻雀教室などで、独自の判断により許可なし営業をして摘発された事例があります。
麻雀教室に関しては解釈が微妙で、
- 営利目的ではない
- 講師が初心者に麻雀を教えるだけ
という場合には風営法が必要ない場合もあるそうです。
ただし、「指導の範疇を超えて、参加者が自由に遊戯をしている場合(セット)」、「財産上の利益を得る目的で営業していると判断される場合」などは許可が必要となります。
OKなラインとして、
区民館などで活動、初心者に麻雀を教えるだけ、集めた費用は場所代にあて、余った代金は参加者に返還している
などの場合は風営法がいらないそうですね。
名簿不備
麻雀店では、内閣府令で定める従業員情報を名簿にまとめておく必要があります。
全従業員の
氏名、住所、性別、採用日、退職日、仕事内容
などを営業所ごとにまとめる必要があり、これをしていないと処罰の対象になります。
実際、名簿が全くない、一部不備などで摘発されている事例があるそうです。
その他雀荘オーナーが注意すべきことまとめ
そのほかで知っておいた方が良いと思ったトピックスを紹介します。
インボイス制度への対応
2023年10月よりインボイス制度がスタートします。
麻雀店の場合、個人店はほとんどが免税事業者となるはず+そんなに取引先が多くないのでそこまで影響はしないかもですが、ルールそのものを認識していないなどの場合は要注意。
税務庁のインボイス特設サイトがおすすめだそうです。(と財務省のかたが言ってた)
因縁をつけられて支払い拒否されたとき
男2人が来店し、24時に「閉店です」というと、「聞いていない」とごねて支払いを拒否。
お店は困って立て替えてしまった。
という事例。こういったケースは恐喝で110番通報で良いそうです。
みかじめ料の要求について
令和元年から東京都の暴力団排除条例が改定され、利益供与した事業者も罪に問われることになりました。
「正月用お飾り」の名目などで支払うと、捕まるので注意。
トラブルに自信のないオーナーの方は全国麻雀業組合総連合会の「営業環境適正化会員」になると顧問のアドバイスなどを受けられるのでおすすめ。
麻雀卓が騙し取られる特殊詐欺事例
全自動麻雀卓の代金89万円を支払ったが、その決済に他人名義のクレカが使用される。
卓は指定の場所に送られるも、受け取り主(?)から「ドアの前においてくれ」と言われ、宅配業者の人はその通りにする。
その後、クレカの不正利用が発覚する+本来の購入者から「卓が届いていない」と連絡が入る。
警察に相談。
・・入り組んでますが、卓が頭はねされた形です。アクロバティックなことをしてくるのは詐欺の可能性が高いです。
廃業時の許可返納
これをしない麻雀店がめっちゃ多いそうですが、公安に返すのがルール。
30万円以下の罰金となる例もあるので注意。
相続について
個人営業の場合、死亡時のみ一定の親族(子供、配偶者等)に引き継ぎができます。
ただし、この期限は死亡日から60日以内となっており、1日でも遅れると許可再申請(既得権がなくなる)となるので注意。
終わりに
「麻雀店営業講習会」のイベントでは、財務省の方、警視庁の方、警察OBの方、などがさまざまな立場から麻雀店へのアドバイスをくれます。
麻雀業界は難しいことも多いので、実際に話を聞く機会は重要かなと思います。
2023年は近隣の雀荘オーナーなどが100人弱集結しておりました。
一般の参加も可能(1,000円)なので、興味ある方はぜひ来年度申し込んでみてください。
ではまた。良い麻雀ライフを!
高橋組合長による総括↓
さて、昨日の講習会内容をまとめます。
昨日は、警視庁保安課担当者による「行政講話」
生活安全部管理官による「賭博撲滅へ向けて」の緊急講話
それに財務省主税局担当者による「インボイス制度についての説明」
警視庁OBの組合顧問による「麻雀営業の問題点」
の4テーマで講演がありました。… pic.twitter.com/HpbqE9oSGH— 髙橋常幸@全雀連理事長・麻雀界編集長 (@joukou0905) July 14, 2023
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