本記事では麻雀卓に詳しい麻雀プロ・岡田智和氏を取材した内容になります。
麻雀卓クラスタ(全自動麻雀卓が好きな人たち)の間でひと際評価の高い麻雀プロがいます。
日本プロ麻雀連盟の岡田 智和さんです。
◆2行でわかる岡田プロ
✔︎全自動麻雀卓の内部画像を淡々とあげ続ける修理のプロ
✔︎MJACの最高段位者でもある実力派の麻雀プロ
今回、名古屋を中心に毎日全自動麻雀卓を直し続ける岡田プロにお時間いただき取材を行いました。
そして特別に作業場も見せてもらってきたので以下で詳しくみていきましょう。
目次
日本プロ麻雀連盟の岡田 智和プロとは?
まずは今回訪問した日本プロ麻雀連盟の岡田 智和プロについて簡単に紹介します。
概要としてTwitterプロフィールは以下のように。
麻雀プロ、全自動麻雀卓の修理、販売、イラストレーターなど様々な属性が記載されています。
以下で詳しく見ていきます。
多彩な才能
岡田プロの経歴としては
- ゲーセン商品企画
- 雀荘店員
- 雀荘オーナー
- 麻雀プロ
- 雀荘コンサルタント
- 麻雀修理人
- 麻雀卓販売人
というように様々なものがあります。
自らの雀荘を開業した際には
- リサイクルショップで購入した自動卓を直して使う
- 座卓式の全自動麻雀卓(アルティマの足を変更)の間を作る
など、そのころから異彩を発揮!
現在は卓直しのスペシャリストで麻雀プロ
たくさんある属性のうち、現在は
- 麻雀プロ(日本プロ麻雀連盟)
- 卓の修理・販売
をメインとして活動しているとのこと。
麻雀プロとしては、2020年に「第1期 中部プロアマリーグ」優勝のタイトルを取っています。
中部リーグ 最終戦が終わりました。
優勝は岡田智和
おめでとうございます。 pic.twitter.com/xwLpAb6jKy— 日本プロ麻雀連盟 中部本部 (@chuubu2) February 2, 2020
また愛知県の雀荘をめぐって全自動卓を修理して回っている(そして卓内部構造の投稿を淡々とする)プロとしても知られています。
愛知県安城市の
「麻雀 カモネギ」さん。アルティマホッパーゲートASSY交換と
雀友のセンサー基板掃除とスロープ部分の調整をしました🔧雀友のセンサー基板は繊細なので、
取り扱いにはご注意ください🙇🏻♂️ pic.twitter.com/DCmSorSr8p— 岡田 智和@麻雀用具のWAWA(日本プロ麻雀連盟) (@WAWA_okada) December 20, 2021
MJAC最高段位者の実力派
Twitter等で岡田プロのことを知った人の中には、卓直しのプロとしてのイメージが強い人も多いかもしれません。
しかし実のところ岡田プロは卓直しだけの人ではないのです。
実は麻雀の実力も折り紙付きで、
- 麻雀ゲーム・ロン2で最高Rate2300以上を達成
- ほぼ毎日、麻雀格闘倶楽部をプレイ
- 麻雀ゲーム・MJにおける最高段位「極天位」を2回達成
(2回達成した人は2022/01現在他にはいない偉業) - 「第1期 中部プロアマリーグ」優勝
と数々の実績があります。
例えば岡田プロの所属する日本プロ麻雀連盟にて、ネット麻雀・ロン2の高Rate(2200以上)達成者をジャンプアップの対象とする制度ができた際、最初にそれを達成したのが岡田プロなんです。
岡田智和ロン2レーティング2,200達成特別インタビュー|日本プロ麻雀連盟
また、アーケードゲームのMJでも最高段位・極天位を達成しており、その界隈でも有名人です。
月間順位が全国上位の人だけ
がもらえる特別カードを所持↓
岡田プロはネット麻雀(MJAC)の強者!
卓の修理・販売も行う
そして何といっても岡田プロといえば卓の修理です。
雀荘コンサルタントと並行して始めた全自動麻雀卓の修理事業が現在では本業となり、毎日どこかしらの雀荘から声がかかっているとのこと。
なんならプロ活動の試合中に電話がかかってくることもあり、運営に断って休憩時間に修理の相談を受けることもあるそうです。
さらに大手代理店から全自動麻雀卓の修理力を買われて、全自動卓の販売も行っています。
本日は三重県津市へ🚙
片道約100kmのロングドライブ✊
アモスレックス3を納品させて
いただきました😌お買い上げありがとうございました🙇🏻♂️
愛知・岐阜・三重・静岡で麻雀卓の
購入をご検討の方は、いつでも
ご相談くださいませ✨
※滋賀も頑張って行きます✊✊✊ pic.twitter.com/jE5uduglnG— 岡田 智和@麻雀用具のWAWA(日本プロ麻雀連盟) (@WAWA_okada) December 21, 2021
全自動卓の販売から納品、修理ができるプロ!
岡田プロの全自動麻雀卓修理場を見せてもらってきた!
今回岡田プロにコンタクトを取り、特別に作業現場を見せてもらうことになりました。
以下では岡田プロの事務所をみていきます。
動画版も作りました↓
名古屋駅から車で20分
名古屋にて回収された自分は岡田プロの運転する車に乗せてもらい、車で走ること20分、作業場に到着します。
ちなみに今回見せてもらった作業場は岡田プロの自宅ではなく、知り合いに借りている第2の作業場とのこと。
ちなみに車はぱっと見普通のプリウスですが、トランクには無限に全自動麻雀卓の修理用部品が入っています。
なので雀荘で不良パーツを特定できた場合は、事務所に戻らず車で解決できるわけです。
この車で岡田プロが来たら無敵!
所狭しと並べられた全自動麻雀卓
作業場に入れてもらいました。
扉を開けると、8畳ほどのスペースに全自動麻雀卓が
1,2,3・・・4台!
1台でもびっくりなのに複数台ともなると壮観でした。
作業中で鉄がむき出しの卓も↓
壊れて動かなくなったなどの理由で雀荘から持ち帰ってきた全自動卓の修理がここで日夜行われています。
部屋に全自動麻雀卓4台は少ない方。
・・箱の状態は意外と嵩張らないんよなぁ(白目)
パーツが棚いっぱいに保管してある
車に入りきらない大型のパーツなどはこの作業場の棚にストックされています。
全自動麻雀卓はパーツが切れたらどんな技術者でも修理を行うことができません。
アルティマ↓
例えば雀荘で一般的なアモスアルティマのサポートも2022年3月で切れることが発表されており、部品はいずれなくなります。
なので今のうちから部品をストックしておき、有事に備えているのです。
長さの異なるネジも大量にストック
岡田プロは、全自動卓の基板だけでも数十種類を所持。
牌の色替え研究も行っている
さらに全自動卓の修理だけでなく、牌の色変更などの依頼も受け付けているそうです。
それもただ色を変えるだけに留まらず、赤色の微妙な違いなどを検証したりもしています。
微妙に違う赤色たち↓
ただ岡田プロは赤色の違いが分からない体質だそうで、ここは知り合いに頼んでいるそうです。
最高傑作・魔改造アルティマ
岡田プロが特に好きな卓はアモスアルティマだそうです。
アモスアルティマは2004年ごろに発売した大洋技研社製の全自動麻雀卓で自動配牌が導入された点が特徴だ。
2016年に後継機となるアモスレックスが出た後も、配牌あり全自動麻雀卓のことを総称してアルティマと呼ぶファンも多い。
>>アルティマの詳細
点数入れについて補足をすると、アルティマはチップ入れを含めると、5部屋あります。
アルティマの点棒ケース内は5部屋↓
これがレックスになると、チップが外付けとなり、点数ケースは4部屋となりました。
レックスの点棒入れは4部屋↓
なのでチップも仕舞っておきたい派はアルティマを好むというわけです。
そして岡田プロはそんなアルティマをレックス以上の性能へ改造した卓を作り出しています。
【アルティマ最終形態】
とにかく麻雀卓が大好きなので、
飽くなき探究心で技術を磨いて
アルティマをカスタムしてたら…遂にREXXⅡにも勝るとも劣らない
アルティマが完成しました。今現在の持てる知識と技術を
全て出し切った渾身の卓です。ぜひご覧くださいませm(_ _)m pic.twitter.com/Q9RVSWLfTR
— 岡田 智和@麻雀用具のWAWA(日本プロ麻雀連盟) (@WAWA_okada) March 1, 2020
具体的には
- 中身はレックス2(枠がアルティマ)
- わかりやすいUSB接続口を搭載
- 点数の色もわかりやすく変更
といった具合。
岡田プロの高すぎる全自動麻雀卓修理技術はどこから来るのか?
ちなみに岡田プロの高すぎる全自動麻雀卓修理技術はどこから来るのでしょうか。
話を伺いました。
元々機械いじりが得意だった
まずは始まりのところとしては機械いじりが得意だったというのがあるそうです。
岡田プロは全自動麻雀卓だけでなく
- iPhone修理
- 麻雀ケーキ作り
- イラスト作成
- ピアノ演奏
などの特技を持つ岡田プロは手先がめっちゃ器用。
チョコも作れる↓
麻雀牌チョコレートを試作
してみました!
使ったのは
・ホワイトチョコ
・ミルクチョコ
・食紅
です。
マットをイメージして
抹茶パウダーかけてみましたが、量が足りなかったです(>_<;)
かはっかはっ pic.twitter.com/fzvmDL9AKJ— 岡田 智和@麻雀用具のWAWA(日本プロ麻雀連盟) (@WAWA_okada) November 20, 2018
そして自身の雀荘オープンにあたり、リサイクルショップにあった卓をいくつか直したことで一通りの技術を身に着けたそうです。
卓修理のスキルアップに余念がない
岡田プロのすごいところは卓直しへの情熱です。
別の仕事があった兼業時代でも
- 雀荘オーナーをしつつ自身の雀荘の卓を直す
- 雀荘コンサルタントの傍らで全自動卓の修理を引き受ける
などを行い徐々にできる範囲を増やしていきます。
これだけだとまだ全自動卓が得意な雀荘店員といった感じですが、岡田プロがすごいのはここからです。
極めるまでとことん突き詰める性格の岡田プロは、卓の修理で分からない点があると妥協をしません。
- 興味のある卓を買ってバラしてみる
- 分かる人に着いていって技術を学ばせてもらう
- すぐに電話をして確認する
などを行い、さらに技術を磨いていきます。
実際、岡田プロのもっとも得意とする卓は大洋技研社のアモス系卓ですが、それ以外の卓(センチュリー、スリムなど)も直すことができます。
また、駆け出しのころはセンチュリー系に詳しい先輩技術者の修理に同行させてもらい、分からないことがあるたびに質問し、技術力を高めたそうです。
岡田プロはアモス系以外も修理できる!
大手麻雀代理店の全自動麻雀卓技能検定を顔パスでクリア
岡田プロがフリーで卓直し活動してしばらくすると、とある大手代理店さんから一通のDMが届きます。
よかったら、弊社の技能検定を受けてみませんか?
この試験は2日間にわたって行われます。
試験を受けるべく(名古屋から)東京に向かった岡田プロ。
しかし、結果は予想外の結末を迎えます。
最初の面談にてあまりにも高い技術力を持っていると認定された岡田プロは、なんと本来は2日ある試験を免除となり、1日で合格となってしまったのです。
岡田プロは、様々な大手代理店、麻雀メーカーさんからの信頼も厚い!
直して終わりではないサービスを追求
岡田プロのスマホにはひっきりなしに電話やLineが入ってきます。
修理案件は日に2~3件をこなし(移動時間が長く、これ以上は入れると帰ってこられなくなるそう)、電話やLineも含めると1日に10件以上になることも・・。
修理業者が数ある中で、なぜ岡田プロに依頼が集中するのか。
こだわっている点を伺いました。
なるべくスピード感をもって対応することを心がけています。
深夜でも早朝でもお客さん(雀荘)にとってはトラブル発生時一刻も早く復旧させたいところですから。
また「直して終わり」のサービスにはならないように心がけていますね。
今回の原因はこうこうこうで、今後気を付けるべきことはここですというような話を丁寧に行うようにしています。
雀荘を元気づけるべく
オリジナル起家マークを作り無料で配ったことも↓
修理の技術者は職人肌で気難しい人も多い中、きめ細やかなサービスをできる点が岡田プロのもう1つの強みといえそうです。
岡田プロにオリジナル起家マーク1つ頂きました!
(ありがとうございます!!)
岡田プロに頼めることと依頼の仕方(個人でも可能)
ここからは岡田プロに依頼したい人に向けて、
- できること
- 頼み方
の2つを解説します。
できること
岡田プロに頼めるサービスをまとめると以下の通りです。
- 全自動麻雀卓の修理(アモス系が得意)
- 新品全自動麻雀卓の販売(大洋技研社、アルバン社の卓が買える)
- 中古全自動麻雀卓の販売(パーツが集まり次第、オーバーホールし、組み立ててくれる)
- 麻雀牌の色変え
- iPhoneの修理
こんなところです。
ちなみに麻雀プロとしてのゲスト活動は(忙しすぎるため)受け付けを停止しているそう。
岡田プロに会いたい人は、筆者のように直接アポを取るか、あるいは上記のいずれかのサービスを依頼するのがおすすめです。
麻雀プロとしての岡田プロを召喚したいときは団体に話を通す必要あり!
依頼の仕方
依頼の仕方は
- 岡田プロのTwitter
- 電話(既に付き合いのある方)
などで行うことができます。
ちなみに雀荘の卓だけでなく、個人宅においてある卓についても修理の依頼を行うことができます。
注意点としては深夜や早朝になるべく電話をかけないこと。
岡田プロの作業時間は、PM2:00-AM:4:00あたりになることが多く、午前中は就寝中のことが多いからです。
困っているお店を早く助けたいという思いで24h受付中とはなっているものの、十分なパフォーマンスを発揮してもらうためにも時間には気を使いましょう。
岡田プロの代わりはいない!
岡田プロに聞いてきた全自動麻雀卓雑学
岡田プロになるとサインはマットにもらう
この日自分は事務所で6時間くらいお話しさせていただき、様々な麻雀卓話を聞きました。
その全てをここで語ることはできませんが、せっかくなので今日から生かせる初中級者向けの麻雀卓ノウハウをいくつか紹介します。
アモス系の中身の違い
アモス系卓の機能の違いを聞いてきました。
まず大きく枠と中身に分かれます。
これらは微妙に独立しており、枠はアルティマだけど中身はレックス(あるいはその逆)ということがあり得るのです。
なので外から見ただけでは中身の違いを判別することは不可能で、中身は開けてみるしかありません。
中身の違いはメーカー用語で
- a…セヴィア(配牌なし
- b…アルティマ
- c…レックス(ルーレット
- cs…レックス2(サイコロ、ワン牌独立、リンシャン牌、サイコロ)
- csj…レックス3
と呼ばれているそうです。
フォルムはほぼアルティマと同じ
アモス系卓はアルティマから自動配牌あり。
全自動麻雀卓の足の違い
続いては足についてです。
全自動麻雀卓の足は大きく3つあります。
- 十字脚
- 角脚
- 立脚座卓兼用脚
十字脚
角脚
現在一般的なのは「十字脚」ですが、アルティマが発売した2000年台にはより安定感の高い脚として「角脚」があったそう。
さらに家庭用卓でよくある座卓にもできる「立脚座卓兼用脚」が実はアルティマなどの業務用卓にもドッキングできます。
立脚座卓兼用脚
なのでアグラで自動配牌卓を打つなども理論上可能!
中央部が凹んだアルティマを直す方法
雀荘などで中央部が凹んだアルティマってよくあるかと思うんですが、これは驚くほど簡単な方法で修正できます。
このやり方を最後に紹介します。
どうやるかというと、中に入っている井桁を膝に押し当てて少し曲げるんです。
調節がやや難しいのですが、何度かやることで凹みを修正することができます。
ちなみに力を込めすぎると井桁が割れることがあるので注意!!
凹んでるアルティマは直せると覚えておこう!
岡田プロの今後の展望。全自動麻雀卓のショールームを愛知に作りたい
岡田プロの今後の展望を伺いました。
確かに大阪、東京などには大規模な全自動麻雀卓のショールームがあるが、名古屋あたりにはまだない。
そして名古屋は大阪と東京の中間であり、かつ麻雀が盛んな土地。
ビジネスチャンスは十分にあるように感じました。
ショールームには様々な麻雀用品が置かれる予定とのことで個人的にも楽しみです。
バトル4と一緒に夜のドライブ。
雀卓が好きすぎて、車に『積む』のではなく『纏う』事にしました。
ありがとうございます。 pic.twitter.com/8hh6irTtdK— 岡田 智和@麻雀用具のWAWA(日本プロ麻雀連盟) (@WAWA_okada) February 25, 2019
そんな感じが麻雀プロ・岡田智和さんの紹介でした。
現状唯一無二の活躍をしつつ、今後ますますの活躍が期待されるプロですね。
ぜひ愛知県で卓に困った場合は声をかけてみましょう!
ではまた、良い麻雀ライフを!
岡田プロの最新作↓
レックス越え!?究極のアルティマ2023年モデルが愛知の岡田智和プロにより作成されてしまう
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当サイトでは、面白いサービスや経営をしている雀荘、麻雀関連団体をたまに取材しています。
取材系記事はかなり気合を入れて書いてるのでよければ読んでいってください。
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