動物愛好家として知られるムツゴロウこと、畑正憲さん。
動物以外にも麻雀にも造詣が深くプロ級の実力なんです。
『ムツゴロウ畑正憲の精密麻雀』という著作もあって前々から気にはなっていたのですが、まあ、麻雀好き芸人みたいなノリかなーと勝手に思って今まで読んでいませんでした。(偏見)
むしろ普通のプロが書いたものより深いんじゃないだろうかというような内容で、牌のアイコンをふんだんに使って、牌譜を検討している場面も多く、読みごたえがありました。
今日はムツゴロウさんとその著作について紹介していきます。
これです↓
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目次
超多才なムツゴロウさんの経歴!徹夜麻雀も楽々の天才
まずそもそものムツゴロウさんの経歴がまたすごい。
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兄が麻雀を覚えてきて家で打ち始めたのが始まりで、その後東京大学在学時には寮で麻雀を打ち、大学院卒業後に就職した映画会社では
「待ち時間をどうしのぐかも仕事のうちだ」
と言われ浴びるほど麻雀を打ったという。
退社後は作家として活動しつつ、阿佐田哲也さんと朝まで麻雀を打ったりと腕を磨き、日本麻雀連盟初代10段位(全3期優勝)となる。
麻雀界初のリーグ戦形式のタイトル戦「最高位戦」の発案者でもあるそうです。
・・・なんか、いろいろとすごいですね!
レビュー『ムツゴロウ畑正憲の精密麻雀』
で、麻雀に関しての戦術書である『ムツゴロウ畑正憲の精密麻雀』は、昭和54年の著作が再販となり復活したものです。
現代では失われつつあるアナログ読みの極みのような部分を知ることができる良書です。
以下に本書の内容をいくつか紹介します。
上がったの手が正解か?
「上がったものが正解」というような理論もあるが、著者はその結果論を認めていては実力が向上しないという。
本書の中で『Aクラス麻雀』を引用し、麻雀とは
「過密都市東京のごとく、実に多くのさまざまな要素が混ざり合い、もつれあって、言葉などでは収拾がつかない複雑微妙な実体となっている」
と著者は言っているが、だからといって何でもかんでも結果論ではいつまでたっても勝てないままだ。
勘に頼らずセオリーの上に成り立つ打牌を心がけ、むしろ「上がったものが正解」というような瞬間をできる限り少なくすることが麻雀の実力アップにつながるという。
本書では、当時はまだデジタル打ちというような言葉がなかったこともあってか、「科学的な」セオリーに沿った麻雀を打つことが重要と表現されています。
そしてそのような打ち方を身に着けるコツとしては、信頼できる麻雀本をまずは一通り通読することを推奨しています。
麻雀について書くと引きが弱くなる。byムツゴロウさん
これは物書きの麻雀打ち特有の話で面白いなと思ったのですが、麻雀について本を出しているような人は引きが弱くなるといいます。
どういうことかというと、麻雀のセオリーや技術について公開の場で発言すると、自分が発言したセオリーにとらわれ、自由自在な打ち回しができなくなる。
そしていざという時に、蛮勇が奮えなくなり、それにより本来持っていた切れ味というか、引きが弱まってしまうのだという。
なるほど、営業マンが、相手の話を聞くように心がけると、それまで出きていた商品の売り込みトークができなくなる話(カウンセラーのジレンマ)に似ているな、と思いました。
最近ではRMUの多井プロがそんな感じのことを言っていたなーというのも思い出しました。
(その後復活してMリーグ2018は絶好調だったようです)
「畑正憲の精密麻雀」で学んだ戦術
本書では麻雀のマナーから戦術まで様々なノウハウがまとめられています。
巻末には「イ」、「ロ」、「ハ」、から始まり最後の「ン」まで50以上のポイントをまとめてあります。
個人的に気に入ったものをいくつか紹介します。
「麻雀と飛行機と天ぷらは上がらねばダメ」
麻雀も天ぷらもどちらも和了(あが)らないと意味がないという意味。
ほかの本で「麻雀と凧は」といわれていて確かにと思っていたのですが、飛行機やてんぷらもそうですね。
バリエーションあるのか!というのが気づきでした。
その他日常的な麻雀ワードまとめました。
「食いをえげつないくらい利用できねば、勝率のいい麻雀は打てない。」
面前志向が強かった時代において、鳴きの価値について言及しているというのが新しいなと思いました。
「喰いをえげつないくらい利用する」
という表現も味があってよいなと思いました。
ローリング打法
ツモ切り牌をなくすために敢えて不要牌を手に止めて手中のものと交換するローリング打法。
要は不要牌をくるくる回すだけですが、確かにやられると地味に厄介かも!(小手返しではなく、1巡止めて次に切るイメージ)
本書では、和了までの経過を書いて説明しているものも多く、深いので牌譜読みが苦手な人は牌を用意しながら読んだ方がよいかも。
中盤の端牌はカンチャン
中盤に端パイが急に出てきたときはカンチャンを直していることも多い。内筋には注意せよ。
例えばこういう形。
- 124→1切り
- 112→1切り
- 113→1切り
そういう形で傍が危険になる可能性が高いとのこと。
カンチャンの中身までは読めないかなと思いますが、そこにメンツやターツがあるとわかるのは大きいなと思いました。
いわゆるブロック読みですね。
高め一盃口は意外と出和了しにくい。
23344の2-5待ちなどで、3が場に二枚切れてるときなどは自分の手牌からではかなり出和了しやすいように見えますが、この2は意外とでない。
他家から見ると別に壁ではないし、自分の一盃口の手作りの上でその部分を固め持ちしてしまうから、他家から見るとその位置が高く見える。
だから使いにくいはずなのに意外と止まってしまい出てこない
のだという。
これは体感として結構あるので、個人的に腑に落ちました。
まとめ。ムツゴロウさんにアナログ麻雀を学べ!
本書では、現代では切り捨てられたようなアナログ読みの境地があるなと感じました。
他にも出上がりやすさの考察もなかなかに考えさせられるものが多く、九種12牌の配牌で、敢えて国士をオープンにして中張牌から切っていったことで、他家のリーチのおこぼれを預かった話は面白かったです。
もし、字牌から切って国士感を消していたら、他家は西が立直の安パイだとは思わず、国士を聴牌していた著者は次順リーチ者に振り込んでいただろうという後先は、このまま麻雀漫画にできそうですね。
実際著者がどんな麻雀を打つのか自分はよくは知らないのですが、巨大な蛇を首に巻いたりしている様子はテレビでみたことがあるのですが、全然恐れていない感じでびっくりした記憶があります。
対局中もそんな感じでリーチにひょうひょうと、「よしゃよしゃよしゃ」と向かってこられたら全然勝てる気がしないな、と思いました。
アナログ麻雀を極めようというやムツゴロウさんファンの人にオススメです。
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P.S.現代の芸能人でいうと、さかなくんさんも囲碁がプロ級らしいです。なんか天才な人は何やっても強いんだなと思いました。
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