戦術

日常と麻雀における筋(スジ)の概念の違いを解説する

麻雀におけるスジの概念を、できる限りわかりやすく説明していきます。

一言でいうと「切られた牌±3の牌は当たり牌にならない」という理論です。

以下でもう少し詳しく解説していきます。

筋(スジ)とは何か?一般的な用法のおさらい

まずは、麻雀以外の一般的な会話における筋の用法をおさらいしていきましょう。

主によく使われる用法としては以下の3つがあるかなと思いますので、それぞれ簡単にみていきましょう。

ヤクザ「あぁん?筋(スジ)通せやワレ」

達人「なかなか筋(スジ)がいいね君」

食通「このカレーは筋(スジ)っぽいね」

それぞれ見ていきましょう。

任侠映画とかで使われる筋(スジ)

まず第一の用法としての筋(スジ)は、任侠映画などで使われる「すじ通せワレ」みたいなやつで、これは「しっかり責任を果たせ!」の意です。

「お金を借りたのに返さない」とか、「やるといったことをやらない」というような行動は筋を通していない(責任を果たしていない)ものとしてとがめられます。

しかし、麻雀ではむしろ筋を通すことを推奨されており、一般的な意味とは使われ方が異なっています。

見込みのある若者に対し使われるスジのよさ

一般的な筋の用法の2つ目としては、スポーツ等で使われる「筋(スジ)がよい」という表現です。

これは主に「見込みがある」とか「才能がある」といった意味で使われます。

「野球をするのが初めてなのにフライが取れる」とか、キラリと光る才能みたいなものがあるときに、「こいつはなかなか筋がいい(才能がある)な…」と指導者がほくそ笑みます。

ただ麻雀においては筋は捨て牌に対して使われる言葉であり、人に対しては使われないので、この意味とも違っています。

肉の歯ごたえがありすぎるときのスジっぽさ

一般的な筋の3つ目の用法としては、食品に対しての「筋っぽさ」です。

これは肉の筋肉が発達しすぎている、あるいは火の通りが悪いなどの理由により、「肉の歯ごたえがありすぎてあまり美味しくない」ときに使われます。

「この牛肉は筋っぽい」とか「筋ばっかりで食べるところがない」みたいな表現は基本的にネガティブな表現となり、そういった食べ物はリピートしない方が無難です。

しかし、麻雀においては筋が多いことは、むしろヒントが増えて読みやすく、おいしくいただけるポイントであるので、この3つ目の意味も麻雀における使われ方とは異なっています。

麻雀におけるスジの意味は両面をかわせ!の意

「えー、日常で使われる筋の意味全部違うんだったら、麻雀で使われるスジってなんやねん?」と思ってきたころかと思いますので、そろそろ本題に入ります。

麻雀における「筋を通せ」という意味は、責任を果たせという意味でも、見込みがあるという意味でも、肉が固いという意味でもなく、相手の手に振り込まないように「両面待ちをかわしていくための技術」です。

麻雀では相手がリーチという攻撃をしてきたときには、点数を取られないようにベタオリという防御を行いますが、このベタオリのテクニックの一つが「スジを通す」なのです。

具体的には、「相手の捨て牌にある牌から3つ離れた牌」のことを筋(スジ)といいます。

どういうことかというと、例えば六萬が捨てられていた場合、スジの牌は数字を-3した三萬と+3した九萬が筋になります。

麻雀では両面待ちが多い

では、なぜ両面待ちを避けるのか?という理由を説明していきます。

麻雀では誰かが聴牌してリーチをかけた場合、待ちとしてはターツが23とあって1でも4でもアガリとなるような両面待ちと呼ばれる待ちが一般的です。

なぜかというと、両面待ちは、待ちの種類が2種類と多く、かつ待ちの枚数も多いから。

参考として麻雀における5種類の待ち方を比べると、両面待ちがもっとも効果的であることがわかります。

両面待ち…2種8枚

ノベタン…2種6枚

シャボ…2種4枚

ペンチャン、カンチャン…1種4枚

単騎…1種3枚

つまり両面を作ればアガリやすいわけで、結果として上級者になるにつれて両面待ちの比率が増えていくのです。

筋を使うと両面待ちを回避できる

で、この枚数も多くて確率てきにもアガリやすい両面待ちですが、実は「筋」の概念を使うことでこの待ちに振り込むことを完全に回避することができます。

なぜそんなことができるのかというと、麻雀にはフリテンという概念があり、筋の牌で両面待ちをロンアガリしようとすると、必ずフリテンになってしまうという法則を利用しています。

フリテンというのは、待ちの一部が自分で切った牌、あるいはリーチ後に他人が切った牌である場合、そのほかの待ちでも他人からロンアガリしてはならないというルールです。

例えば、上のケースではもし自分で既に4を切っている場合、1が出てもロンアガリすることができません。ツモはできます。

なんでこんなルールがあるのかというと、故意の見逃しを防止するため。

「あいつ嫌いだからあいつからだけ上がったろう」とか、「1位から出るまで待とう」というようなズルい戦術が取れないように、一度見逃した牌では和了できないようになっているのです。

筋(スジ)の使い道!覚えておくべきは3つだけ

ではここからは実際に筋の意味とその使い方を学んでいきましょう。

まず、スジとは何かという話で言うと、「筋とは相手の捨て牌にある牌から3つ離れた牌」のことを指します。

どういうことかというと、例えば六萬が捨てられていた場合、スジの牌は数字を-3した三萬と+3した九萬になります。

これらの牌はもし6が切られていれば、45ともっていて3と6で当たるという両面、あるいは78ともっていて6と9が当たりという両面はあり得ないため、両面待ちを恐れることなく3や9が切れるという理論です。

4、5、6が切られている場合のスジ

この理論を使うと、萬子、筒子、ソウズ問わず数字の4,5,6のいずれかが切られていた場合、それぞれ、以下の牌は両面待ちには当たらず通すことができます。

4が切れている…1と7が通る

5が切れている…2と8が通る

6が切れている…3と9が通る

かなり通せる牌が増えますね。

4、5、6を筋にするには挟み撃ちが必要

ただここで注意したいのは、逆に4、5、6を筋にするためには±3した牌が切れているだけでは不十分だということです。

例えば一萬が切れている場合の四萬は23と持っていての1-4の両面待ちはあり得ませんが、56ともっていての4-7待ちはあり得ます。

つまり片方しか殺せておらず、この場合は半分の筋という意味で「片筋」といいます。

全然筋でない「無筋」よりは安全なものの、完全なスジよりは危険という立ち位置です。

じゃあ、4,5,6は筋にできないのかというと、そうではありません。両方からの片筋で挟み込むことによりスジを成立させることも可能となります。

具体的に言うと、4を筋にしたい場合は、1だけ切れていても4-7待ちが残り、7が切れていても1-4待ちが残ってしまいますが、1と7が両方切れることにより、その両方の可能性がなくなり完全なスジとなるのです。

5と6を筋にしたい場合も同様で、以下の通り。

2と8が切れている…5がスジ

1と7が切れている…4がスジ

3と9が切れている…6がスジ

筋になりにくい牌という意味で4~6は出てきにくい牌と言えます。

スジで防げるのは両面待ちのみ!筋を過信するなかれ

3つ目に覚えておくべきこととしては、筋で防ぐことのできる待ちはあくまで両面待ちに限られるということです。

麻雀では両面待ちが多いので筋は有効なディフェンスですが、すべてを防げるわけではないという点を覚えておきましょう。

例えばすべてが単騎待ちである七対子や、1,9,字牌が孤立した国士無双などの役はスジを通してもムダですし、あるいはその他の手でもカンチャン待ちやペンチャン待ち、シャボ待ちなどには筋は通用しません。

なので、相手の手が両面待ちなのかどうかを見極めていくことも筋を使いこなすうえでは重要です。

通る筋と通らない筋の読み方

では、通る筋とそうでないスジってどうやったら見分けられるのか、という話を最後にしていきたいと思います。

これは諸説あり経験によるところも多いですが、簡単に言えば以下の通り

チートイツ、国士無双などの特殊役であるか

筋のまわりがたくさん切れているかどうか

この2点に限ります。

特殊役に筋は通らない

まず一つ目は、そもそも両面待ちを作ろうという意思がない場合がこれに相当します。両面待ちを作るためには数字牌の3~7(中張牌)を使うことが重要ですが、この貴重な中張牌が捨て牌に序盤から惜しげもなく切られているような場合、チートイツや国士無双などを狙っている可能性があり、筋はあまり有効ではありません。

まあ、これはぱっと見てわかりやすいポイントです。

筋の周りがたくさん切られているときは通る

続いて2つ目の「筋の周りの牌が切られているか」ですが、これも相手の手作りを逆算して考えるとわかりやすいポイントとなります。

というのも、スジは作成者側としては意図して作るというよりも、愚形が払えずそのまま残った形が筋になることが多いからです。

例えば246という形がずっと埋まらないで最後まで残れば6切りの3待ちとなり筋が通らないもろひっかけの形になります。

このような弱いターツのエリアは、ほかに牌があれば補強しておきたいのが人情。

12ともって3を待つよりも、112ともって1と3を両方受け入れられるようにしたり、22とあるところに4が来れば残します。

なので、筋になっていたとしても最後まで待ちになる可能性のあったターツに関しては、ぎりぎりまで周りの牌が切られにくいのが特徴。

逆に周りの牌がたくさん切られているエリアは、すでにメンツが完成しているか、あるいは強いターツがあるエリアである可能性が高く、筋は通しやすいといえます。

終わりに

ここまで筋についてまとめてきましたがいかがだったでしょうか。

麻雀におけるベタオリとして現物が切れたらとりあえずスジというのは基本となります。

ぜひマスターして振込を避けていきましょう。