麻雀における「後付け(あとづけ)」を解説します。2つの意味があり、1つはルールとして「後付け」を認めるかどうか、もう1つは後付けありの場合の戦術としての後付けです。
以下で詳しく解説します。
後付けとは?
最初の鳴き(ポンやチー)をした場合に、まだ役が確定していない状態を許容するかどうかのルール。または、後で役を確定させる戦術のこと。
後付けとは?ルールと戦術、2つの意味を解説
まずは改めて後付けの意味を解説します。
後付けとは、一言で言うと「上がりの時点で役が確定している必要があるかどうか(確定している必要がないのが後付け)」です。
例えば、1が出ればタンヤオがつかないけど、4が出ればタンヤオがついて上がれる!みたいなやつは、後付けありではあがれますが、なしの場合は上がれません。
また、そこから転じて、後付けありルールの場合の後付け戦術のことを指す場合もあります。
以下でそれぞれの意味について説明します。
意味1:ルールとしての後付け
まずはルールとしての後付けです。
こちらは、後付けを上がりとして認めるか否かという決めの話になります。
一般的なルールは後付けありで、ネット麻雀やプロの対局などは後付けありがほとんどです。
ただし関西サンマなどでは後付けなしルール(完全先付けルール)のこともあります。
後付けなしの場合には、上がりまでに役を確定させる必要があります。(片上がりや役牌バックなどが不可)
※厳密には、完全先付けと後付けなしで違いがあるのですが、かなり複雑な話になるので省略します
用法としては、口論などで「その理由は後付けでずるい!」みたいなのに近い感じですね。(イメージ)
よくルール決めで、「ありあり」か「なしなし」かのような話がありますが、その内訳は「喰いタン」と「後付け」です。(順番はないみたいで、ありなし、なしありとは言わない)
意味2:戦術としての後付け
続いては戦術としての後付けです。
後付けありのルールの場合には、「後付け」の戦術を行うことができます。
具体的には、役が見えないような「789」のチーなどが入った場合には、役牌を手の中で対子で持っている「後付け」狙いの可能性が高いです。
この戦術としての後付けは主に鳴きについてのみ用いられる言葉です。なので、リーチをかけて上がった後に裏ドラが乗った場合などには、(後から役がついていますが)後付けとは言いません。
◆後付けという場合
- 789チーをして、後から役牌をポンする
◆後付けと言わない場合
- 678チーをして、タンヤオを上がる(最初の鳴きがタンヤオの構成要素と一致するため、あまり後付けとは言わない)
- 役牌をポンする(最初のなきで役がついているので後付けと言わない)
- リーチをかけて、裏ドラが乗る(鳴き以外では後付けは使わない)
戦術としての後付け(役牌バック)の使い方
ここからは戦術としての後付けの使い方について解説します。
主に役牌を待つ戦術のため、役牌バック(後で役牌を返してもらうの意)と呼ばれることもあります。
メリットとデメリット
メリットは以下の通りです。
- 役牌を待たずに手を進めることができる
- 他家の手を止めることができる
逆にデメリットとしては、
- 手が読まれやすくなる
- 役牌を止められたら上がれない
- 手が短くなり守備力が下がる
などです。
鳴きを1つ入れるだけでも役はかなり絞られるので、相手が上級者になるほどリスクは増します。
使い所
使いどころとしては、とにかく早く上がりたい場合などがおすすめ。
オーラスで上がりトップ(なんでもいいから上がれば勝ち)の場合などは、どうせ他家も役牌を止めてられないので後付けは有効な戦略です。
逆にラス目でどうしても連装したいときなども、手を速めるために後付けを用いることがあります。
ホンイツなど移行できる別の役を保険として持っておくことも有効↓
後後付けという戦術もある
通常の後付けは、役牌が対子の状態から他のターツを仕掛けますが、例外的に、役牌が1枚の状態から他のターツを鳴く戦術もあります。
この戦術は「後後付け(あとあとづけ)」と呼ばれており、他のターツを鳴いた後、なんとか運よく役牌が重なるのを待つというもの。
手が悪すぎる場合などに用いられます。
後付けのさらに後付けという意味で、後後付けと呼ばれます。役牌は最大5種(三元牌と自風牌、場風牌)あるので、5枚のどれかがくればいい・・!みたいに受けると結構きます
終わりに
後付けは、役を覚えたくらいの初心者からすると、「役牌が出なくて上がれなくなるリスクが高いのではないか」と思ってしまうかもですが、現代麻雀では一般的な戦術の1つです。
もちろん持ち持ち(互いに2枚ずつ役牌を持っていて、両方動けないこと)になることもありますが、他家より早く上がりたいときなどには有効となります。
また、ルールとしての後付けの有無などのチェック項目は以下の記事にまとめているので参考にしてください。
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