本記事では、麻雀における「王牌(ワンパイ)」について解説します。
王牌とは、ドラがあるゾーンの14枚のことを差し、最後までツモられずに残ります。
ネット麻雀では特に意識する必要はないですが、手積みや自動卓での麻雀では、この王牌を取り分ける必要があります。
以下で詳しく見ていきましょう。
目次
王牌(ワンパイ)とは?ツモらない14枚のことを差します。
まずは王牌の意味を解説します。
意味
王牌の意味としては、「嶺上牌およびドラ牌(裏ドラ、カンドラを含む)のためにツモ順から外された14枚の牌」を差します。
図で言うとこの手前の7列14枚です↓
この14枚はカンをすることで嶺上牌として手牌の補充に使われたり、あるいは同じくカンをした際にカンドラをめくるための場所として使われます。
ただしこの14枚は必ず14枚をキープするようにしなければならず、嶺上牌として1枚ツモったら、元々の海底牌(ハイテイ・最後のツモ牌)が王牌に新たに加わります。
由来・なぜ14枚なのか
諸説あるのですが、「5人目のプレイヤー(対局者)として王様(神様)がいるため」と言われています。
対局者は自分の手番になると牌が14枚になりますね。それと併せているのではないかという説です。
誰も触ることのできない牌が必ず14枚残る=それは神のみぞ知る=神の手牌だ、という理論。王様の持ち物だから誰も触れちゃダメだよという感じ。
実際、嶺上開花の際にツモ符が付かないルールが一般的で、これもツモではなく、神様からのロン扱いではないかみたいな話もあります。
ちなみに「触らずの14枚」という言葉は上下が同じ牌を指すそうです。
その辺の詳しい話↓
>>【麻雀牌の上下で理牌読み!】2種類の回転牌の違いとアンビグラム柄牌について(触らずの14枚)
王牌と嶺上牌に関連する役(リンシャンカイホウ等)
続いてこの王牌に関連する役を紹介します。
正式な役としては、
- 嶺上開花(リンシャンカイホウ)
- 槍槓(チャンカン)
の2種、ローカル役としては寒ブリなどもあります。
それぞれ簡単に見ていきます。
嶺上開花(リンシャンカイホウ)
まずはマンガ『咲』で有名となった麻雀役「嶺上開花」です。
この役の成立条件は、カンをして嶺上牌(王牌の一番左)から持ってきた牌でツモアガリすることです。
山のいちばん奥(嶺の上)にいる王の間に花を咲かすみたいなイメージなのかも。
嶺上開花の詳細解説は以下の記事をどうぞ。
槍槓(チャンカン)
続いては槍槓です。
こちらは誰かが加カンをしようとした際、それを遮ってロンアガリをすることで成立します。
王の間に入ろうとする不届き者を成敗するみたいなイメージなのかも。(適当)
槍槓ができるカンの種類はちょっと難しいので詳細は以下の記事をどうぞ。
[麻雀役・槍槓(チャンカン)とは?]条件(暗槓の有無)、確率、カンドラを解説!国士無双あり
(国士無双の場合のみ暗槓でも上がれるみたいなルールもあり)
寒ブリ(ローカル役)
ローカル役の寒ブリは正式な役ではありません。事前に確認ください。
成立条件としては、嶺上牌をツモったターンで切った牌がロンされると成立します。
王からの賜りものを活かしきれなかったところを処される形ですね(適当)
王牌の作り方!手積みと自動卓とネットで違いあり
続いては王牌の作り方について解説します。
手積みとネットと全自動卓で違いがあるのでそれぞれ見ていきましょう。
ネット麻雀では意識する必要なし
まずもっとも簡単なのがネット麻雀です。
天鳳、MJ、雀魂などのネット麻雀では、手牌の取り出し、王牌の切り分け、ドラのめくりなどがすべて自動で行われます。
そのため、王牌は気が付いたらそこにあるという感じで意識する必要はありません。
全自動卓でも勝手に出てくるものが多い
全自動麻雀卓の場合は機種によりますが、最近の配牌が出てくるタイプの卓の場合、以下の操作を実施します。
◆ドラがめくられていた場合
ドラがめくられている位置を基準に左に2つ、右に5つの山を残して左右を分ける。この区切られたドラのある7列(×2段)のエリアが王牌となる。
◆ドラがめくられていない場合
ドラがめくられていない場合には(これは雀荘やコミュニティによるので要確認ですが)自分の目の前の山を右から5つ目で分けます。(5個目と6個目の間を分ける)
そして分けた5列の真ん中(右から3つ目の牌)を表にしてドラとします。これで完成!
手積みまたは配牌のない自動卓の場合はサイコロを振るところから
配牌の出ないタイプの自動卓、あるいは手積み卓で打っている場合はどこを王牌にするかを決めるサイコロを振ります。
このアモスコンパスというアイテムを使うとわかりやすい。
出た目と取り出し位置が書いてある↓
サイコロの振り方と分け方については以下の記事をご覧ください。
手積み麻雀の始め方と進め方!山を積む、配牌を取るなどの全準備を解説
王牌に関するマナー!触っていいタイミングは4つだけ
王牌に関するマナーです。
王牌に触っていいのは以下の4パターンだけです。
配牌時にドラをめくる+嶺上牌をおろすとき
まず1つ目としては配牌時に嶺上牌をおろす動作です。
近年の麻雀マナーでは、嶺上牌が誤ってこぼれ落ちぬよう、あらかじめ下におろしておくのがマナーとされています。
なので自分の目の前に王牌のあるプレイヤーがドラをめくり嶺上牌を下におろします。
これが触ってよいタイミングの1つ目です。
カンをして嶺上牌をツモるとき
続いてはゲーム進行中にカンをしたときです。
カンをしたプレイヤーは4枚を3枚として扱うため、1枚牌が足りなくなります。
この足りない1枚を王牌の一番左(嶺上牌)から補充することができ、このときそのカンをしたプレイヤーが王牌に触れることが許されます。
カンドラをめくるとき
3つ目はカンドラをめくるときです。
一般的なルールではカンをするとドラが増えます。
この増えたドラをめくるのはドラが目の前にあるプレイヤーとされています。
なので、このときドラ前プレイヤーは王牌に触れることが許されます。
裏ドラをめくるとき
最後はアガリ時です。
立直をかけて上がった場合裏ドラをめくる権利を得られます。(これもルールによる)
アガリとなったプレイヤーは王牌に手を伸ばし、その下にある牌を表にして全員にみえるようにしましょう。
王牌に触ってよいのは以上4点です。ほかで触るとイカサマか??と思われます。
(ほかで触るケースがないため)
サンマの場合は王牌がないルールもある
これは余談ですが、サンマ(3人麻雀)の場合には王牌が存在しないルールもあります。
(ドラ横まで)「ツモり切り」と呼ばれるルールで、この場合、流局となるのはドラと裏ドラの2枚を残した部分まで行ったときとなります。
なので王牌は最小2枚まで縮小され、14枚固定ではありません。
この理由としては、サンマでは花牌(抜きドラ)が多く、花牌を抜いた場合にも嶺上牌からツモります。
なので、何枚抜いたか分かりにくく嶺上牌を調整するのが面倒だからではないかと思われます。(詳細は不明)
このツモり切りのルールでは、ツモ番が多くほとんど流局しないため、「流し満貫」が役満(流し役満)になっていたりします。
関東のサンマ店はこのルールが多いのでチェックしてみましょう。
3人麻雀フリー(関西サンマ)の基本ルールと役と流れ。デビュー前に確認したい天鳳、雀魂との違いまとめ
終わりに。王牌に泣かされぬ山読みをマスターせよ
そんな感じが王牌の解説でした。
この王牌に何がいるかによって、山読みをしても王牌に泣かされたりと偶然性が高まっています。(山にいる!と思ったら王牌だった・・・みたいな)
この微妙に理不尽なところが麻雀の面白いところでもありますね。
ぜひ王牌と仲良くなって勝利を掴んでいきましょう。
ではまた。よい麻雀ライフを!
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