麻雀役の一つ「槍槓(チャンカン)」について解説していきます。
相手のカンに合わせて発動するいわゆるカウンター系の役なのでタイミングを逃さないように気をつけましょう。
以下では、このチャンカンについて解説していきます。
では参ります。
目次
麻雀役「槍槓(チャンカン)」とは?加カンした牌をロンする低確率な技です。
まずは麻雀役の一つ「槍槓(チャンカン)」について、どのような役なのかを簡単に紹介していきます。
基本情報
基本情報は以下の通り。
名前 | 槍槓(チャンカン) |
---|---|
点数 | 面前1役/鳴き1役 |
鳴き | OK |
タイプ | 偶然役系 |
確率 | 0.06%程度(24/37位) |
条件 | 誰かが加カン(ポンをされている牌に1枚加える)をしたその牌でロンアガリすること |
かなり珍しい役で、上級者になるにつれ加槓をする割合も減るので、より出にくくなります。
成立条件
「槍槓(チャンカン)」の成立条件としては、「誰かが加カンをした牌が自分の上がり牌だった場合、役がつく」というもの。
「7sカン!」「その7sロン!槍槓(チャンカン)だ!」「しまった!」
みたいな流れで上がりとなります。
点数と鳴き
偶然役系の役となり、点数は1役、鳴いていても可(1役)です。
他に役がなくても上がれるので、槍槓、ドラ3とかもありとなります。
こんな感じのもある(ドラで槍槓)↓
確率
確率は以下の通り。
- ヨンマ:0.0597%
- サンマ:0.0443%
かなりレアな役となります。
また、サンマでは成立しにくいのが特徴で、これは
- サンマでは字牌の割合が多く、カンをして上がれる牌の種類(1〜9に限るため)が少ないこと
- 牌の種類が少なく数牌をカンするケースが少ないこと
などが影響していると考えられます。
槍槓(チャンカン)の成立条件の注意点!ポンに加えたカンのみ有効です
注意すべきポイントとしては、
- 対象となるのはあくまで加カン(ポンした牌に一つ加える)のみである点
- 槍槓の対象牌はカンを宣言したときにポンした牌に付け加えた牌であるという点
かなと思います。
それぞれ簡単に解説します。
カンの種類に注意!
カンの種類はこんなかんじ。
図解↓
カンの種類
1.暗槓(アンカン) | 自分の手の中で4枚の牌を集めてカンを宣言 |
---|---|
2.明槓(ミンカン) | 自分の手の中で3枚+誰かの1枚、あるいはポンした牌+1枚でカンを宣言。ミンカンはさらにダイミンカンとカカンに分かれます。 |
-大明槓(ダイミンカン) | 自分の中に同じ牌3枚があり、誰かが4枚目を捨てたときにカンを宣言する。 |
-加槓(カカン) ★槍槓の対象★ |
自分がポンしていた牌と同じ種類の4枚目を自分の手の中からカンする |
槍槓の対象となるのはこのうち1つだけです。
そのほかのカンに対しては基本的に槍槓を発動できないので注意しましょう。
カンに関する詳しい話は以下の記事をどうぞ。
>>【図解あり】4枚の鳴き「槓(カン)」のメリット、役を初心者にもわかるように解説します
対象はカンをして加えた牌
また、チャンカンの対象になる当たり牌についても注意が必要です。
対象となるのはカンをしてその後に切った牌ではなく、カンをするとき付け加えたその牌です。(カンをした後に切った牌で当たった場合を役とするローカルルールもある)
カンの種類の違いについては以下の記事にまとめているのでよければ参考にしてください。
役なしはOK、フリテンは不可
また、槍槓自体が役となるため、もし槍槓(チャンカン)以外に役がないような形式テンパイであっても、チャンカンの時にはロンあがりが可能です。
チャンカンしか役がない形↓
ただし、自分がすでに切っている牌やその牌を含む待ち(フリテン)の場合はロンできないので槍槓を上がることはできません。
出る順 | 麻雀役名 | 面前点数 | 鳴き点数 | タイプ | ヨンマ 確率(%) |
サンマ 確率(%) |
条件 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | リーチ | 1役 | なし | 6.手なり系 | 43.5 | 47.7 | 面前での聴牌時に、リーチを宣告して1000点棒を支払ったうえで和了すること |
2 | ドラ | 1役 | 1役 | 7.偶然役系 | 42.3 | 89 | 1枚もつに付き1役となる。ドラのみで和了することはできない |
3 | 役牌 | 1役 | 1役 | 1.役牌系 | 40.2 | 52.0 | 役牌を3枚集める |
4 | タンヤオ | 1役 | 1役 | 4.順子系 | 22.1 | 07.3 | 2〜8で手を作る |
5 | 平和 | 1役 | なし | 4.順子系 | 19.6 | 15.1 | すべての面子を順子でそろえ、かつ頭が役牌でなく、待ちが両面待ちであること(頭に関しては、自風牌、場風牌、三元牌以外で作る必要あり) |
6 | 面前清自摸 | 1役 | なし | 6.手なり系 | 19.4 | 28.4 | 面前で手牌を揃え、自らのツモで和了すること |
7 | 一発 | 1役 | なし | 7.偶然役系 | 09.30 | 10.2 | リーチ宣言後、鳴きの入っていない状態での翌順のツモまでに和了すること(リーチ宣言した巡目のロンと、翌順のツモが有効) |
8 | ホンイツ | 3役 | 2役 | 2.染め手系 | 05.94 | 13.1 | マンズ、ピンズ、ソウズのいずれか1色+字牌で手を作る |
9 | 一盃口 | 1役 | なし | 4.順子系 | 04.27 | 08.05 | 同じ組み合わせの順子を2つつくること(例:223344ソウ) |
10 | 三色同順 | 2役 | 1役 | 4.順子系 | 03.09 | 0 | 萬子、筒子、ソウズの数牌で同じ組み合わせの順子を作ること(例:234ソウ,234萬,234筒) |
11 | 対々和 | 2役 | 2役 | 5.対子系 | 03.01 | 04.69 | 全ての面子を刻子(同じ牌3枚の組み合わせ)で作る(123などの順子は不可) |
12 | 七対子 | 2役 | なし | 5.対子系 | 02.40 | 04.23 | 同じ牌2枚のペアを7つ作る |
13 | 一気通貫 | 2役 | 1役 | 4.順子系 | 01.57 | 02.56 | マンズ、ピンズ、ソウズのいずれかで123,456、789の3面子を揃える |
14 | チャンタ | 2役 | 1役 | 3.チャンタ系 | 01.03 | 0.954 | メンツとアタマを1、9+字牌を含む形で作る。(123,789はあり) |
15 | 清一色 | 6役 | 5役 | 2.染め手系 | 0.852 | 02.03 | マンズ、ピンズ、ソウズのいずれか1色で手を作る |
16 | 三暗刻 | 2役 | 2役 | 5.対子系 | 0.673 | 01.89 | 手の中でアンコ(鳴かずに作った同じ牌3枚の組みあわせ)を3つ作る |
17 | 河底撈魚 | 1役 | 1役 | 7.偶然役系 | 0.504 | 0.391 | その局の最終捨て牌でロン和了すること |
18 | 海底撈月 | 1役 | 1役 | 7.偶然役系 | 0.353 | 0.437 | その局の最終ツモで和了すること |
19 | 嶺上開花 | 1役 | 1役 | 7.偶然役系 | 0.328 | 02.15 | カンを宣告後、嶺上牌でツモ和了すること |
20 | 純全帯 | 3役 | 2役 | 3.チャンタ系 | 0.302 | 0.153 | メンツとアタマを1、9牌を含む形で作る。(123,789はあり) |
21 | ダブル立直 | 2役 | なし | 7.偶然役系 | 0.201 | 0.199 | 鳴きの入っていない状態で、子の第一ツモでリーチを宣言して1000点棒を支払ったうえで和了すること |
22 | 小三元 | 4役 | 4役 | 1.役牌系 | 0.123 | 0.265 | 白發中のうち2種類を3枚、1種類を2枚集める |
23 | 混老頭 | 2役 | 2役 | 3.チャンタ系 | 0.0621 | 0.211 | メンツとアタマを1、9+字牌のみで作る(123,789は不可) |
24 | 槍槓 | 1役 | 1役 | 7.偶然役系 | 0.0597 | 0.0443 | 他家が加カンを宣言した牌、その牌でロン和了すること |
25 | 二盃口 | 3役 | なし | 4.順子系 | 0.0442 | 0.160 | 同じ組み合わせの順子2つの組み合わせを2セットをつくること(例:223344ソウ、445566ピン) |
26 | 三色同刻 | 2役 | 2役 | 5.対子系 | 0.0437 | 0.0372 | 萬子、筒子、ソウズでそれぞれ同じ数の刻子をそろえること |
27 | 四暗刻 | 役満 | なし | 5.対子系 | 0.0416 | 0.183 | 手の中でアンコ(鳴かずに作った同じ牌3枚の組みあわせ)を4つ作る |
28 | 国士無双 | 役満 | なし | 3.チャンタ系 | 0.0371 | 0.237 | 13種類の1、9、字牌を全て1枚ずつ+13種のどれかをもう1枚の形を整える |
29 | 大三元 | 役満 | 役満 | 1.役牌系 | 0.0334 | 0.0995 | 白發中の3種類を3枚ずつ集める |
30 | 小四喜 | 役満 | 役満 | 1.役牌系 | 0.0105 | 0.0131 | 東南西北のうち3種類を3枚、残り1種を2枚集める |
31 | 字一色 | 役満 | 役満 | 2.染め手系 | 0.00573 | 0.0167 | 字牌のみで手を作る |
32 | 三槓子 | 2役 | 2役 | 5.対子系 | 0.00485 | 0.0126 | 3つのメンツがカンされたものであること |
33 | 緑一色 | 役満 | 役満 | 2.染め手系 | 0.00178 | 0.00886 | ソウズの23468、字牌の發のみで手を作る |
34 | 清老頭 | 役満 | 役満 | 3.チャンタ系 | 0.00133 | 0.00655 | 1、9牌のみで手を作る |
35 | 九蓮宝燈 | 役満 | なし | 2.染め手系 | 0.000951 | 0.00682 | マンズ、ピンズ、ソウズのいずれかで1112345678999+何か同じ色1枚の形を作る |
36 | 地和 | 役満 | なし | 7.偶然役系 | 0.000879 | 0.000904 | 鳴きの入っていない状態で、子の第一ツモで和了すること |
37 | 大四喜 | 役満 | 役満 | 1.役牌系 | 0.000525 | 0.000882 | 東南西北のうち全部を3枚ずつ集める |
38 | 天和 | 役満 | なし | 7.偶然役系 | 0.000375 | 0.00103 | 配牌時に和了していること |
39 | 四槓子 | 役満 | 役満 | 5.対子系 | 0.0000109 | 0.000112 | 4つのメンツすべてがカンされたものであること |
40 | 大車輪 | 役満 | なし | 2.染め手系 | 0(不明) | 0(不明) | ピンズで22334455667788の形を作る(ローカル役) |
41 | 人和 | 倍満or役満 | なし | 7.偶然役系 | 0(不明) | 0(不明) | 鳴きの入っていない状態で、子の第一ツモをするまでにロンアガリする |
槍槓(チャンカン)と相性の良い役!国士無双の場合は暗槓も上がりできる
では続いてはそんな「槍槓(チャンカン)」と相性の良い役を紹介していきます。
相性の良い役
チャンカンは自分の手の形に依存しないため基本的にはどんな役とも複合可能です。(ロンのみなのでツモ系の役は不可)
特に相性の良い役は何かという話で言うと、特殊ルールのある、国士無双です。
これは何が特殊かというと、本来、槍槓は加カンのみが対象ですが、国士無双の上がりに関してのみ、暗槓(アンカン)も対象として良いのです。
つまり誰かが手牌の中から4枚の牌を取り出し「この中をカン(暗槓)します!」というようなときに、あなたが国士無双の北待ちであれば、それをロンできます。
このルールに関しては、ローカルなところもあるので、対局前に確認しておきましょう。
似た役、紛らわしい役
カンしたあとに切った牌をロンの対象とする寒ブリというローカル役もやや紛らわしいです。
これはあまり採用しているところがないですが念のため覚えておきましょう。
あとは手順的には違うんですが、同じくカンに関わる役としては
などがあります。これらを狙っている人は必然的にカンをすることになるため、チャンカンのねらい目となります。
複合しない役
複合しない役は以下の通りです。
雑学ですが覚えておきましょう。
槍槓(チャンカン)をアガるコツ!待ちをポン牌に寄せよう
では続いては、そんな槍槓(チャンカン)を上がりたい!という人に向けて、上がり方のコツを紹介します。
このコツはシンプルで待ちを誰かのポンした牌に寄せておくだけです。
もちろん誰かがポンした牌が待ちになっていては、その分枚数は少ない(1枚のみ)ですが、役なしの手などは逆に槍槓(チャンカン)を狙えるチャンスとなるのでおすすめ。
とはいえ、カンチャンとかだとさすがに苦しいので、2ピンがポンされていたら2−5ピン待ちにしておくとかそんな感じが現実的です。
槍槓(チャンカン)にカンドラはつくか?カンが無効なのでつきません
最後にこれもよくある問いの一つですが、槍槓(チャンカン)を上がった際にカンドラがつくかどうか問題を解説します。
結論から言うと、これはカンドラがつきません。
理由。槍槓(チャンカン)においては、カンを無効にしてカンが成立する前にロンしたという扱いになるため。
ちなみにカンは捨て牌を切り終えた時点で成立となるルールと、カンが成立した時点(チャンカンされなかった時点)とするルールがありますが、どちらにせよチャンカンではカンドラは乗りません。
まあ、ドラ分は槍槓(チャンカン)の1役で補っていると見ることもできますね!
そのリンシャン、取る必要なし
と咲-saki-でも言っていたように、カンに横槍を入れ、先に上がりを成立させてしまうというニュアンスとなります。
槍槓に関するQA集!一問一答で微妙な場面を答えます
槍槓については特殊な役なのでこれってどうなるの??みたいなケースも多いです。
例えば、
- 一発と複合するのか
- 四開槓(スーカイカン)とどちらが優先か
- ホウテイは付くのか
などです。それぞれ簡単に見ていきましょう!
カンドラは乗る?いいえ乗りません
まず一番気になるところとして、カンドラが付くかどうかですね。
これはドラは増えない状態での上がりとなります。
理由はカンが成立する前にチェーンで上がりとなったイメージだからです。
槍槓と嶺上開花の優先度
続いては同じ槓子系の役である嶺上開花との兼ね合いです。
これは槍槓が優先です。
つまり誰かが加槓をしてリンシャン牌でツモ上がったとしても、そのカン牌が槍槓でロンだった場合、そもそもカンが成立していないという扱いとなります。
槍槓と嶺上開花は槍槓が優先!(そのカン、成立せず)
四開槓(スーカイカン)とどちらが優先か
前項と同様の理由により、四開槓(スーカイカン)との優先順位も槍槓が有線です。
四開槓(スーカイカン)・・2人以上で計4回カンをすると、その局はその場で流局となるルール
カンが成立する寸前で槍槓が先に成立したというイメージですね。
一発と複合するのか
続いては一発との複合についてです。
槍槓は鳴きが成立する前にロン和了(アガリ)した扱いなので複合します。
一発と槍槓は複合する
サンマの抜きドラ(北)に槍槓は付くか?
サンマにおける抜きドラの北に対しては槍槓はつきません。
しかし、なぜか北を抜いてツモった人には嶺上開花(リンシャンカイホウ)が付きます。(天鳳、雀魂)
ホウテイは付くのか
ハイテイ1つ前の牌でカンをして槍槓となった場合、カンの成立前なのであと1枚牌があることになり、ホウテイは付きません。
そしてラスト0枚(ハイテイ牌)はカンできないので槍槓となりえません。
ホウテイと槍槓は複合しない
終わりに!槍槓で嶺上開花使いを狙い打とう!
ここまで槍槓(チャンカン)について紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
けっこうレアな役なのであまり使う機会はないかもですが、だからこそ忘れがちな役でもあります。
「あ、しまった上がれてた!」
とならないように、ぜひ槍槓(チャンカン)をマスターしていきましょう!
ではまた。良い麻雀ライフを!
麻雀初心者講座、開幕!
麻雀のルールを体系的に学びたい・・!
そんな要望を多数いただき、本サイトでも初心者講座カテゴリーを解説しました。
全12回で麻雀のルールと基本戦術をマスターできるコースです。
全編無料なのでこの機に麻雀の勉強をしてみよう!という人はぜひ参考にしてください。
◆初心者から初級者になる6講座
- 第1回:麻雀とは?ざっくり概要を解説
- 第2回:麻雀の上がり方!ツモとロンを覚えよう
- 第3回:麻雀の主な役!まずはこれだけ3,5,7
- 第4回:牌効率の基礎!確率を上げる考え方
- 第5回:鳴き!ポンとチーで人から牌をもらう方法
- 第6回:役を狙う牌効率!6つのコースで解説
- 番外編:手積み麻雀ができるようになる方法
◆初級者から中級者になる6講座
- 第7回:ベタオリ!リーチを受ける手順とコツまとめ
- 第8回:相関図で麻雀役を全部覚えてみよう!
- 第9回:麻雀の点数計算やり方解説【符の数え方】
- 第10回:フリテンルール解説!ロンできない問題を解決します
- 第11回:麻雀の押し引きについて
- 第12回:手役読みの基礎!相手の狙い役を見抜く方法
- 番外編:【徹底比較!】オンライン・ネット麻雀のおすすめまとめ!
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