麻雀における「数え役満(かぞえやくまん)」を解説します。
正式には役ではないのですが、役の翻数が13以上になると疑似的に役満となります。
以下では
- 数え役満とは何か
- どんなときに数え役満となりやすいか
- 普通の役満と数え役満は複合するのか
などを詳しく解説します。
正式な役については以下の記事を参照ください。
目次
数え役満とは?13役以上で成立、確率はサンマで高い
まずは数え役満とはという話を改めて詳しく解説します。
概要と成立条件
まずは概要です。
麻雀では、
「役の翻数が13以上になった場合、最高得点の役満となる」
というルールがあり、そのようにしてできた役満のことを数え役満と言います。
なので数え役満そのものは厳密には役ではありません。
点数
点数は通常の役満と同様に子で32000点(ツモなら8000, 16000)、親なら48000点(16000オール)です。
数え役満の点数
子でロン | 32,000点 |
---|---|
子でツモ | ヨンマ:8,000-16,000(合計32,000点) サンマ:8,000-16,000(合計24,000点) ※ツモ損なしの場合は11,000、21,000とかが多い |
親でロン | 48,000点 |
親でツモ | ヨンマ:16,000オール(合計48,000点) サンマ:16,000(合計32,000点) ※ツモ損なしの場合は24,000オールとかが多い |
点数に関しては満貫(子で8000点)が4つあるというイメージですね。
こんなイメージ↓
◆高打点の点数
- 4~5役(符による)・・・満貫
- 6~7役・・・跳ね満(1.5倍満貫)
- 8~10役・・・倍満(2倍満貫)
- 11~12役・・・三倍満(3倍満貫)
- 13役以上・・・数え役満(4倍満貫)
鳴き
ちなみにこの数え役満に関して、鳴きは行って良いのか?という点が気になっている人ももしかしたらいるかもしれません。
これはOKです。
数え役満は、役ではないのでとにかく13役を越えれば何でもOKとなります。
※リーチ、ドラ12とか役牌、ドラ12(鳴いて)とかでも良い。
数え役満は鳴きOK。
※ただし裏ドラが使えないので難易度は上がる。
確率
続いては確率です。
正式な役ではないので厳密な確率は不明となっています。
体感としては出やすい役満(四暗刻や国士無双など)と同程度の印象です。
※数え役満に関しては特にカンをする人の割合が多い初心者卓ほど出やすい印象あり
理論上は役満の確率から他の全役満(純正)の確率を引けば概算値が出るはず。
やってみたら全役満の10%程度(出現確率は0.01%)でした。
ある日の天鳳データでちょっとやってみた結果、数え役満の確率はヨンマでは全役満の10%程度(出現確率は0.01%)でした。
元にしたデータ(ヨンマ)と考え方。
- A:全アガリ合計数(役満以外も含む):585143回
- B:純正役満の確率合計0.11995%
- C:純正役満の出現回数:A×B=701.9
- D:役満の出現回数:763.44069
- E:数え役満比率=1-C/D=0.080
→全役満のうち8%程度が数え役満となる。(丸めて10%とした)
https://tenhou.net/sc/prof.html
出やすい役満御三家(大三元、スーアンコウ、国士無双)の確率は大体オーダーは0.03~0.04くらいなので、まあ体感と大体一致かちょい低いかなくらい。
採用
続いては採用状況です。
数え役満はプロ団体などでは採用されていないことが多く、採用がない場合は3倍満扱いとなります。
採用状況はこんな感じ。
採用なし
- 日本プロ麻雀連盟
採用あり
- Mリーグ
- ネット麻雀(天鳳、雀魂、MJ)
数え役満の作り方。サンマでドラを増やし、清一色かトイトイを狙おう
続いてはそんな数え役満の作り方について解説します。
漢気麻雀などでは最も作りやすい役満の1つなので是非狙っていきましょう。
コツは以下の通りです。
- サンマはそもそも出やすい
- ドラを増やす
- 清一色系、トイトイ三暗刻系を狙う
それぞれ解説します。
サンマはそもそも出やすい
まずはそもそも論ですが、ヨンマに比べてサンマでは数え役満が出やすいです。
これはサンマとヨンマの役の出やすさを比較いただくとわかるのですが、全体的にサンマの方が役が出やすく複合しやすいからです。
なのでサンマでもヨンマでもいいから数え役満を上がりたい!という場合はサンマを打ちましょう。
ドラを増やす
続いてのコツはドラを増やすことです。
ドラなしで13役を作ることはほぼ不可能で、大体のケースで数え役満はドラを複数枚使います。
リーチ(1)、一発(1)、清一色(6)、トイトイ(2)、三暗刻(2)とかでもまだ12役とドラなしで13は非常に大変・・!
で、このドラを増やすためには積極的にカンをしていくことが重要で、カンができるチャンスは逃さないようにしましょう。
清一色系、トイトイ三暗刻系を狙う
最後は比較的数え役満になりやすい形を2つ紹介します。
- 清一色系
- トイトイ系
この2つです。
理由を解説します。
清一色系
まずは清一色系ですが、これは言わずもがな清一色が役満を除くと最高得点の6翻役(鳴きでも5役)であり、非常に有利と言えます。
特に面前の場合では
平和、一盃口、一気通貫、二盃口、リーチ、ツモ
など様々な役と複合でき、これに少しドラを足せばすぐ数え役満を成立させることができます。
実際、ローカル役満である大車輪などは元々が3倍満くらいあったりして安目でも数え役満となることは多いです。
トイトイ系
続いてはトイトイ系です。
これは四暗刻崩れのような形でトイトイ三暗刻をロン上がりする形が最も数え役満になりやすいといえます。
理由としては、トイトイと三暗刻(ともに2役)で計4役と高打点というのもありますが、何よりドラが乗りやすい点が挙げられます。
というのは、トイトイ系は同じ牌が2〜3枚揃っているのでドラが乗るときはまとめて乗ります。
また、カンもしやすい形なので、カンをしてドラが乗れば4枚、8枚・・と乗ることもざらにあり、数え役満に近いといえます。
数え役満の実例。例えばこんな形を解説
続いては数え役満の実例を見ていきましょう。
清一色系
まずは清一色系の実例です。
いきなり数え役満✌️
今日はいけるか?😤#ふとちゃんず杯ふとリーグ pic.twitter.com/eVCAUExOfK— 目覚めた大竹 (@chikami_1020) February 27, 2022
ソウズの清一色(6役)をリーチ(1役)一発(1役)ツモ(1役)であがって、9役。
さらに平和と一盃口がそれぞれ1役で11役、ここにドラが3枚あるので合計14役(13役以上)のため、数え役満となります。
清一色系は半分弱を清一色1役で埋めることができるため、比較的役満となりやすい形と言えます。
リーチドラ爆系
続いてはドラ爆系です。
数え役満いえい pic.twitter.com/E9nGWeomV8
— えす-snch (@p56692853) February 28, 2022
こちらは正式な役はリーチのみ。
しかし、これにドラが13枚乗っているため、計14役で数え役満となっています。
カンがたくさん入っている状態では、ドラの総数が増えるためこのようなことが起こり得るのです。
リーチツモオープンホンイツ三暗刻西北
金ドラドラドラ花の数え役満で
オーラス大逆転のKさんです😊
おめでとうございます🎉 pic.twitter.com/fWORKJkoaN— 麻雀ウェルカム 八王子店 (@welcomehachioji) February 25, 2022
また金ドラ、花牌(抜きドラ)などドラが多いルールはカンが入っていなくても数え役満が出やすいと言えます。
ホンロートイトイ系
続いてはホンロートーとトイトイの合わせ技での数え役満です。
数え役満あがれなかった
ぴえん pic.twitter.com/bM3jwwHKpD— ぱちもん@ユノ民🎀 (@pachimon58) February 28, 2022
ツイート見えない人向け↓
こちらでは、様々な役の合わせ技により13役を達成しています。
- 中(役牌)・・1役
- 南(役牌)・・1役
- トイトイ・・2役
- 三暗刻・・2役
- ホンロートー・・2役
- ホンイツ・・2役
- ドラ・・・1役×3枚
ーーーーー
合計13役(13役以上のため数え役満9
ちなみにこの手は一手変わって字牌単騎になれば「字一色」という役満ですね。
ただ数え役満は他の役満と複合しないため、シングル役満のままです。
数え役満と他の役満は複合する?しません。
続いては数え役満と他の純正役満との複合についてです。
これについては複合をしません。
数え役満と別の役満は複合しない(ダブル役満とならない)
というのは役満役は通常の翻数の計算とは別のベクトルに存在しており、積み上げ方式のカウントを行わないためです。
例えば、四暗刻の手にトイトイや三暗刻と複合させようとすると、三暗刻が組み合わせ上3回取れてしまったりしてカウントが難しいことがわかります。
まあ理由は別として、とりあえず複合しないという点だけ覚えておきましょう。
ちなみに(数え役満以外の)四暗刻と大三元など別の種類の役満同士は複合します。(ダブル役満となる)
- 数え役満×他の役満→成立しない
- 他の役満×他の役満→ダブル役満
あと数え役満が勢い余って26役になってもダブルにはならないです。
数え役満に関するよくある質問
よくある質問をまとめました。
数え役満は何翻(なんはん)?
13翻からです。青天井ルールなどの場合には、特に数え役満としてカウントしないケースが多いです。
三倍満にしかならないルールもある?
競技麻雀などでは13翻以上でも三倍満とするルールがあります。
数え役満が14翻以上になると何かある?
特にないです。13翻以上で一律シングル役満です。
親:48,000点、子32,000点
数え役満はスラング?
(麻雀以外での)一般的な用法としては、悪い属性が揃いすぎている場合などに「数え役満」が用いられることがあります。
満貫が4つの4倍満貫が役満なので、4つ以上あるときに用いられやすいです。
数え役満で逆転を狙おう!
そんな感じが数え役満でした。
役ではないですがほぼ全ての団体やゲームで採用されているルールとなります。
ぜひ覚えて逆転の切り札として使っていきましょう。
コツを復習すると以下の通り。
- サンマはそもそも出やすい
- カンしてドラを増やす
- 清一色系、トイトイ三暗刻系を狙う
ではまた。良い麻雀ライフを!
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全編無料なのでこの機に麻雀の勉強をしてみよう!という人はぜひ参考にしてください。
◆初心者から初級者になる6講座
- 第1回:麻雀とは?ざっくり概要を解説
- 第2回:麻雀の上がり方!ツモとロンを覚えよう
- 第3回:麻雀の主な役!まずはこれだけ3,5,7
- 第4回:牌効率の基礎!確率を上げる考え方
- 第5回:鳴き!ポンとチーで人から牌をもらう方法
- 第6回:役を狙う牌効率!6つのコースで解説
- 番外編:手積み麻雀ができるようになる方法
◆初級者から中級者になる6講座
- 第7回:ベタオリ!リーチを受ける手順とコツまとめ
- 第8回:相関図で麻雀役を全部覚えてみよう!
- 第9回:麻雀の点数計算やり方解説【符の数え方】
- 第10回:フリテンルール解説!ロンできない問題を解決します
- 第11回:麻雀の押し引きについて
- 第12回:手役読みの基礎!相手の狙い役を見抜く方法
- 番外編:【徹底比較!】オンライン・ネット麻雀のおすすめまとめ!
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