一般に麻雀は4人で打つものというイメージが強いですが、関西を中心に人気のあるルールとして、三人麻雀、通称サンマというものがあります。
これは文字通り三人で打つ麻雀で、4人で打つ一般的な麻雀(ヨンマ)とは、結構ルールが異なります。
なので、初心者でいきなりサンマを覚えようと思ったときに、ヨンマのルールをみると、むしろ混乱したりすることもありますが、往々にしてサンマの解説は「ヨンマと比較したうえで違いを述べていく」という形式が多いのが現状です。
このヨンマと比較するという方法は、4人麻雀をマスターした人がサンマを覚える際には効果的ですが、そもそも麻雀を全く知らない初心者にとっては難解。
そこで今日は、初めて麻雀を覚えようとしていて、かつプレイしたいのはサンマ!という人に向けて、ヨンマと比較しないサンマのルールを解説していきます。
関西出身のビギナーの方の参考になれば幸いです。
では、まいります。
目次
3人麻雀のゲームの目的
まずは3人麻雀の目的と大まかなゲームの流れを説明していきます。
ゲームの目的としては、点棒がもっとも多い人が勝ちというもの。
点数を得るためにはアガリ形を整えて、かつ役と呼ばれる特殊な技を決めていく必要があります。
逆に相手にアガリを取られると、点数が減ってしまうため、いかに人よりも早く手を整えてアガリを取っていくかを競い合うのが三人麻雀のポイントです。
3人麻雀で用いるアイテムの種類
続いて3人麻雀で用いるアイテムについて紹介していきます。
3人麻雀で使用するアイテムは以下の通りです。
牌、マット、卓、サイコロ、点棒、起家マーク、(チップ)、(焼き鳥マーク)、(押し棒)、(ゴッドハンド)
カッコのないものっは必須のアイテム、そしてカッコのあるものはあれば便利というようなアイテムとなります。
チップ、起家マーク、点棒、サイコロなどの小物類は、麻雀牌を買うとついてくることが多いので、用意すべきは牌、マット、卓の3種類です。
卓は60cm×60cm以上の正方形の卓であればこたつでもダイニングテーブルでもなんでもOKで、この卓の上に専用の麻雀マットを敷きます。このマットがないと机が傷つくのでほぼ必須。
そして卓にマットを敷いたら、その上に牌を並べてゲームスタートとなります。
三人麻雀で使用する牌
牌は一般的な麻雀セットは4人麻雀も楽しめるように作られているので、3人麻雀に必要なものだけをチョイスして使っていきます。
具体的には、三人麻雀で使う牌は以下の通り。
萬子:1と9(2~8は使用しない)
ソウズ:1~9
ピンズ:1~9
字牌:東西南北白撥中
ポイントは萬子の2~8を使わない点ですね。
三人麻雀における小物のポイント
またサイコロ、起家マーク、点棒などは牌セットに付随したものを使用しますが、三人麻雀をプレイする上で注意すべきポイントは点棒です。
点棒は最初35000点ずつ配るのが三人麻雀での一般的なルールですが、麻雀セットの中には点棒が計10万点分しかないものもあり、その場合、3人にそれぞれ35000点を配ると、点棒が不足する事態もあり得ます。
そんなときは別売りのバラ点棒を購入していく必要があります。
その他便利アイテム
また、サンマでは四角形の机に3人で座るため、一辺が空席となりますが、この席に出てきた牌山を扱う上であると便利なのが、押し棒とゴッドハンドです。
手積み卓の場合は3人で少し長めに積めばいいのですが、全自動卓でどうしても4つ山が出てしまうという場合にこれらを使用しましょう。
3人麻雀のルール
続いては3人麻雀のルールについて紹介していきます。
三人麻雀の大まかな進み方
三人麻雀では一番最初にアガリ形を作りかつ役を確定させた人が点数をもらえるゲームです。
そのために各ターンで少しずつ牌を入れ替えて、手牌をよりよい方向にすすめていきます。
山の積み方などの準備段階の細かい話は省略しますが、三人麻雀では始めにそれぞれのプレイヤーは13枚の手牌を受け取りゲームをスタートします。
そして親から順番に牌を1枚引いてきて手札に加えていちばん要らない牌を1枚切る、という一連の流れを繰り返していきます。そして誰かがアガリ形を整えてアガリを宣言したらその局(1回の勝負)が終了し、アガリ者に点数を払います。
親以外の人がアガリを取ったり、あるいは誰もアガれなかった場合は親が移動し、同じように13枚ずつ牌を配り、親から順番に牌を入れ替えていきます。
この親の順番をそれぞれのプレイヤーが2回づつ行ったら1ゲーム(1半チャン)が終了し、その時点でもっとも点数の多いプレイヤーが優勝となります。3人のプレイヤーが2回ずつ親を行うので、最短で計6局で終了します。
以上がサンマでの大まかな流れになるのですが、以下ではアガリの方法や手のすすめ方など、より細かいルールについて解説していきます。
3人麻雀のアガリについて
続いては3人麻雀でのアガリの方法について紹介していきます。
3人麻雀ではアガリを行うことで点棒を得ることができますが、このアガリを行うためには以下の2つの条件を満たす必要があります。
1.アガリ形を整えていること
2.役があること
アガリの条件1:アガリ形を整えていること
まず一つ目の条件がアガリ形を整えていることです。
これは簡単にいえば、手牌13枚とツモ牌1枚(あるいは誰かの捨て牌1枚)の計14枚で、3つずつの組み合わせが4つと同じ牌2つの組み合わせを一つ作ることを指します。
具体的には以下のような形があります。
123456789一二三白白
3つずつの組み合わせのことを面子といい、これは同じ牌を3枚を集めるか、あるいはソウズとピンズの場合はそれぞれ同じ種類の牌で123,567などのように階段状に3枚連続した形を作ることでも面子として認められます。
萬子と字牌に関しては、数が独立しているため、階段状には組み合わせを作れず、ピンズとソウズは手を作りやすい形となっています。
ちなみにイレギュラーなアガリ形として、上記以外にも、同じ牌2枚の組み合わせを7種類作る七対子という形と、萬子、ソウズ、ピンズの1,9牌を1枚ずつ6種類と各字牌を7種類を集めたうえで、そのどれか一つを2枚にするという国士無双という形もあります。
前者はちょくちょくありますが、後者はレアです。
アガリの条件2:役を用意する
三人麻雀では、アガリ形を整えたとしてもすぐアガリとなるかといえばそうではありません。
アガリとして認められるためには、アガリ形を整えたうえで、かつ「役」と呼ばれる条件を満たす必要があります。
麻雀では役の数によって点数が決まっており、役がないと点数をつけられないため、役なしのアガリは認められていません。
役の内容としては、萬子、ピンズ、ソウズのどれか1種類と字牌だけで手を作るホンイツ、白・撥・中などの役牌を3枚集めることで役がつく「役牌」、鳴き(人から牌をもらう)をいれずに手を作り、聴牌(あと1枚でアガリの状態)時に1000点を支払うことで成立するリーチ、などがあります。
全部で36個の役がありますが、まあ、よく使うものをまずは覚えていきましょう。
3人麻雀のドラ
ちなみにこの役の中の一つにドラというものがあります。
ドラはそれ単体ではアガリ役として認められませんが、何か他の役とセットにすることで2つ目以降の役としてカウントできるというサブの役です。
とにかく早く上がりたいときなどには使えませんが、高い手を上がりたいときにはこのドラが重要となります。
3人麻雀のドラのルールとしては、大きく4種類があります。
一つは開始時に山をめくって作られた表ドラ、2つ目はリーチをかけて和了したときにめくれる裏ドラ、3つ目はウーソウ、ウーピンの一部が赤く染められた赤ドラ、そして4つ目がサンマ特有のルールですが、北の抜きドラです。
最初の3つに関して、それぞれの違いについては以下の記事で書いているので参照ください。
4つ目に関していうと、サンマでは北のみ特別扱いがなされていて、手牌の北をカンと同じく牌をさらすことで、1枚引いてきてよく、かつ手牌にドラとして残ることになります。
これらのドラを理解しておくと打点がアップします。
◆参考記事
3人麻雀の戦略!確率の高い手の作り方や点数を減らさない方法など
続いては三人麻雀での基本的な戦略の考え方を紹介していきます。
基本的な戦略はヒット&アウェーです。
自分の手が他の人よりもアガリに近いと思うときはガンガンと手を進めていき、相手の方が手が速いと感じたら、振り込まないように逃げます。
というのも三人麻雀では、誰かの上がりの最後の1枚を捨てた人は、そのアガリ点のすべてを1人払いしなくてはならないからです。(自ら山から引いてきた牌でアガリとなった場合は割り勘)
これを振り込みといいます。
基本的には攻撃だけを考えるのであれば、アガリを目指していけばいいわけですが、振り込みにより点数を減らさないようにしていく必要があるのです。
攻撃の基本は牌効率
では続いて、まずは実際に手を作る上での戦術について見ていきましょう。
三人麻雀でのアガリの作り方は、いかに早く面子を4つ作るのがポイントとなります。
そのためには、同じ牌3枚だけでしか面子を作れない萬子や字牌よりも、階段状に3つ並べることでも面子になるソウズやピンズを積極的に使っていくことが重要。
2枚ペアとなっている場合はその牌を残し、ソウズ、ピンズ、萬子がそれぞれ孤立しているような場合はソウズやピンズを残すようにしましょう。
この、より効率の良いほうをのこすという選び方のことを牌効率といい、牌効率を鍛えるための「何切る本」と呼ばれる本もあるので、スピードが追いつけない!という人はどうぞ。
ちなみに4人麻雀と三人麻雀では、牌効率の確率が若干違うので、基本は4人麻雀用の本で覚えて、そのあとに3人麻雀用の本でチューニングしていくことが重要です。
役の基本はリーチ、役牌、ホンイツ
牌効率はあくまでもアガリ形を整えるための方法で、役については別で作る必要があります。
役については、とりあえずまず覚えるべき3つは、リーチ、役牌、ホンイツです。
それぞれ簡単に紹介していきます。
面前ならリーチでオールオーケー
まずはリーチという役です。
これは他に役がない役に、役を付ける脅威のメカニズムで、条件は以下の2つがあります。
・面前であること(鳴きを入れていない)
・聴牌時にリーチを宣言し、1000点棒を場に出すこと
まず前提としての鳴きの話ですが、鳴きというのは、人から牌をもらうことを差します。
三人麻雀では、同じ牌2枚が自分の手牌にあるときに、他の誰かが3枚目の牌を捨てたとき「鳴き」を使うことができ、「ポン」ということで、その相手の捨て牌を自分の手札とすることができます。
鳴きをいれた牌は、鳴いた相手が分かるように場にさらしておき、山から牌を引いてきたときと同様に、手札から要らない牌を1枚捨てて、右隣の人のターンとなります。
この鳴きを入れると手が早くなる利点がありますが、役によっては鳴きをいれていないことを条件にしているものもあり、リーチはその対象です。
なので、リーチをしたいときはほしい牌が出ても鳴きをしないようにしましょう。
そしてリーチを成立させる第2の条件が1000点棒の支払いです。
リーチを行うためには、あと一枚でアガリというタイミングでリーチを宣言し、場に1000点棒を出す必要があります。この1000点棒はアガリとなった場合は回収できますが、他の人にアガられた場合はその人にもっていかれます。
なので、アガれなかったときは地味に痛い出費となることもあります。
自分の持ち点が1000点未満のときや、ツモが一回も残っていない(残り山数3枚以下)終盤はリーチをかけることができません。
条件は意外と多いですが、それでもどんな役でも役をつけられるというあまりあるメリットにより、利用頻度の高い役となります。ドラが多いときなどにオススメです。
役牌はスピーディに役を確定できる特急券
続いては、役牌という役です。
これは特定の牌を3枚集めるだけで役が1役つくという非常にお手軽な役。
役牌の対象となるのは、大きく3つあり、具体的には
・常に役牌である三元牌(白、撥、中)
・親が1週目(東場)か2週目(南場)で変わる場風牌(東or南)
・自分のいる位置(親との距離)により変わる自風牌(東or南or西or北)
です。
それぞれの違いについては以下の記事にまとめているので、詳しく知りたい人は参考にしてください。
◆参考記事
鳴きもOKなので、とにかくアガリたいときなどにオススメ。
防御力が高い三人麻雀御用達の役ホンイツ
最後はホンイツという役です。
この役は萬子、ピンズのいずれか一つと字牌のみで手牌を作ることで成立する役です。
同じ色に染まっているように見えることから「染め手」とも呼ばれます。
一応萬子+字牌という組み合わせもありますが、ただ難易度が高いだけでメリットがないので、あまり使う人はいません。
字牌を除いて、ソウズだけ、ピンズだけで作った場合は、さらに点数の高い清一色という役になるので、状況見合いでシフトしていきましょう。
鳴きありの役です。
このホンイツは字牌が手に残りやすく相手の手に対応しやすいことから防御力の高い役として知られています。
リードがありきっちり逃げ切りたいときにオススメ。
ちなみに清一色を鳴きなしで作ると、手牌がかなりごちゃごちゃして難しいですが、この面前清一色を鍛えるための専用の参考書などもあるので、面前清一色を使いたい人はどうぞ。
ベタオリで失点を抑える
続いては三人麻雀におけるディフェンス面の話です。
三人麻雀では自分の手が悪いときは相手に振り込まないように逃げる行動が重要ですが、この逃げる動きのことをベタオリといいます。
このベタオリの方法としては、基本的な考え方は相手が必要ない牌を切ることで、具体的には、相手の切った牌を切る、筋を切る、字牌や萬子など使われにくいところを切る、などのテクニックがあります。
詳しい話や参考書は以下にまとめているので、参考にしてください。
◆参考記事
アガリのやり方とベタオリの仕方を覚えればまあ、とりあえずはそれなりに打てるレベルといえます。
あとは細かい点数や役の種類などを実践を通して学んでいきましょう。
3人麻雀の雀荘戦略!場所代が高くつく点に注意。
最後に三人麻雀を雀荘で楽しむ場合の注意点を紹介していきます。
サンマの盛んな関西地域では、場所代にサンマとヨンマをそれぞれ記載していたり、あるいは同額であったりすることも多いですが、関東ではサンマの場合場所代が割高になるケースがあります。
というのも、場所代は1卓当たりいくらみたいな計算になっていて、4人麻雀ならそれを4で割りますが、3人麻雀では3で割るので一人当たりが高くなるというわけです。
清算になって「なんでこんなに高いの!?」とならないようにあらかじめ確認するようにしましょう。
終わりに
ここまで三人麻雀のルールについて紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
三人麻雀は4人麻雀とはまた違った面白さがあり、競技人口も多いメジャーなルールです。
しかも人数が少なくてもいいので開催もしやすいという利点もあり親しみやすいルールでもあります。
ぜひマスターして三人麻雀を楽しんでいきましょう。
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- 第9回:麻雀の点数計算やり方解説【符の数え方】
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- 番外編:【徹底比較!】オンライン・ネット麻雀のおすすめまとめ!
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