本記事では麻雀役「平和(ピンフ)」について解説します。
- 点数:1翻役(鳴き不可)
- 成立条件:両面待ち、メンツが順子のみ、頭が役牌ではないを満たすと成立
- その他:ツモ20符、ロン30符で固定。
(関西サンマではツモ平和が認められないルールもある)
麻雀役の一つである「平和」。
これは「へいわ」と読むのではなく、「ピンフ」と読みます。
もっとも基本的な役の一つでありつつも、意外と成立条件が複雑でもっとも覚えるのが難しい役としても知られています。
麻雀を覚えようと思ったけど、この平和のところで詰まってしまうという人も多いです。
そこで、今日はこの平和について、できるかぎりわかりやすく説明してきたいと思います。
では参ります。
目次
麻雀役・平和(ぴんふ)とは?成立条件や点数、鳴きの有無について
平和(ピンフ)の成立条件について解説いたします。
平和(ピンフ)の役概要
まずは概要です。
名前 | 平和(ピンフ) |
---|---|
点数 | 1役 |
鳴き | 不可 |
確率(出現率) | 20%程度(5位/37個中) |
条件 | 待ち、メンツ、頭が全て符の上がらない形であること (両面待ち、メンツは順子のみ、頭は役牌以外) |
ピンフは、40個近くある麻雀役の中でも出現率第5位(ドラを除くと4位)、出現確率19.9%という非常にメジャーな役です。
にもかかわらず、成立条件は意外と難しく、初心者泣かせな役でもあります。
成立条件
そんな平和の成立条件としては、「符が上がらないアガリをすること」というのが一言で表見したとき条件です。
具体的には、以下の4つを満たす必要があります。
- 面前である(鳴きを入れていない)こと
- すべての面子が順子(横並び)であること
- 聴牌時の待ちが両面待ちであること
- 頭が役のつく牌で作られていないこと
分かる人はこれだけでわかると思いますが、初心者の方はなんのこっちゃかと思いますので、事項にて、それぞれについて説明していきます。
点数
点数は1役となります。
「こんなに成立条件が多いのにたったの1役なの?」と思うかもですが、実は出現頻度も高くできやすい形なんです。
鳴き
鳴き(ポン、チー)をすると、平和は成立しません。
昔は鳴き平和を認めるルールもあったみたいですが、現在ではローカルルールとなっています。
参考:日本最古のアルシーアル麻雀を学んできた!ルールや点数計算、採用役を解説
確率
平和の確率は20%程度(5位/37個中)と言われています。
字牌の比率が多いサンマではやや優先度が下がり、15.7%くらいになります。
サンマの方が確率が低いという点では珍しい役です。
参考:3人麻雀(サンマ)の役確率一覧。ヨンマとの違い、狙い目な役はホンイツ、トイトイ系!
平和(ピンフ)の成立条件について
平和を成立させるためのポイントは以下の4点です。
◆平和の成立条件
- 面前である(鳴きを入れていない)こと
- すべての面子が順子(横並び)であること
- 聴牌時の待ちが両面待ちであること
- 頭が役のつく牌で作られていないこと
それぞれ解説します。
1:面前である(鳴きを入れていない)こと
平和の成立条件の一つ目は面前であることです。
麻雀役には、
- 面前(鳴きをいれていない)状態でのみ成立する役
- ポン・チーなどの鳴きを入れた状態でも成立する役
の2種類がありますが、平和は前者となります。
麻雀役の鳴き有無一覧表↓
なので、平和を和了(アガル)ためには鳴きをいれない聴牌(あと1枚でアガリの状態)にする必要があります。
これをしてはいけない↓
2:すべての面子が順子(横並び)であること
2つ目の成立条件としては、すべての面子が順子(横並び)であることが挙げられます。
麻雀の和了形は、4つのメンツ(3つずつ組み合わせ)と1つの頭(同じ牌2つの組み合わせ)からなりますが、この4つのメンツについては以下の2種類のパターンがあります。
- 順子(シュンツ)…234,345のように同じ色で階段状に3つ並んだもの
- 刻子(コウツ)…222、白白白のように同じ牌が3つ集まったもの
平和においては、4つのメンツのすべてが順子でそろえられている必要があります。
下図の上を3セット作りましょう↓
3:聴牌時の待ちが両面待ちであること
3つ目の条件は聴牌時のアガリ牌の待ち方が「両面待ち」であることです。
以下のような形で23を持って1と4を待っている状態が両面待ちとなります。
麻雀の待ちとしては、以下の6パターンがあります。
- 両面待ち…「45」で3と6を待つ、「67」とあって5と8で和了できるというように3つ離れた2つの数牌を待っている形
↑平和はこの形! - 単騎待ち…頭が不足している状態で、1枚ある牌と同じ牌を引いてくれば和了できる形
- カンチャン、ペンチャン待ち…「12」とあって3を待っている、あるいは「35」とあって4を待っているように順子の待ちが1牌である形
- シャボ待ち…2266というように頭が二つあり、どちらかが出れば刻子となって和了できる形
ノベタン待ちが紛らわしいのですが、これは単騎が2つあるので両面待ちにはならないです。
4:頭が役のつく牌で作られていないこと
平和の成立条件の4つ目は、「頭(同じ牌2枚の組み合わせ)が役の付く牌で作られていないこと」です。
字牌が全部ダメなわけではなく、役がつかないものは頭にしてもOKです。
役牌の種類としては、具体的に以下のものが挙げられます。
- 三元牌(白、撥、中)…常に役牌
- 場風牌(東または南)…東場であれば東、南場であれば南が役牌
- 自風牌(東、南、西、北のいずれか)…親なら東、親の右隣りの人は南、親の対面の人は西、親の左隣の人は北が役牌
自分の位置や場風(東場か南場)かなどによって変わるので最初は大変ですが、「役牌」の麻雀役をマスターすれば自然とわかるようになるはずです。
数字牌はすべて頭にしてOKなので初めのうちは字牌を避けるというのも一つの手です。
以上4点を満たすものが平和となります。
成立条件のまとめ
復習すると以下の4つです!
- 面前である(鳴きを入れていない)こと
- すべての面子が順子(横並び)であること
- 聴牌時の待ちが両面待ちであること
- 頭が役のつく牌で作られていないこと
では以下では平和の実践編です。
平和の作り方。両面待ちを増やしていこう!
平和の作り方です。
狙って作る役でもないのですが、以下を行うと、平和になる確率が上がります。
- 3~7を残す
- 両面待ちを固定する
- 頭を固定する(役牌以外で)
それぞれ簡単に解説します。
3~7を残す
まず序盤の戦略として、3〜7の数牌をなるべく残した方が平和になる確率が上がります。
具体的には、125とあるような場合、12を残して5を切りがちですが、5を残して4や6にくっつくのを待つと両面待ちになりやすいです。
頭を固定する(役牌以外で)
続いてはある程度手が進んできた場合の戦略です。
平和の条件は「頭が役牌以外」のため、役牌が頭にならないように調整する必要があります。
具体的には白白11とあった場合は、白を切って1を頭に固定するなどが必要です。
両面待ちを固定する
3つ目は両面待ちの固定です。
例えばソウズ556、マンズが357とあるような場合では、ソウズの5を切って56の両面を固定することで平和になる確率がアップします。
(357のリャンカン形の間の4や6が入れば両面待ちが残るため)
なるべくメンツが順子(階段状)になりやすいように、待ちも両面待ちになりやすいように、と進めていくことが重要です。
平和と相性の良い役、悪い役。複合系でメンタンピンを目指そう
平和は他の役と複合しやすい役です。平和は単体では1翻ですが、平和を含むアガリで満貫、ハネマンなどの高打点になることがあり、複合役を狙うことが重要になります。
そこでこの項では、相性の良い役、悪い役を紹介します。
平和は順子系の役と組み合わせやすい↓
相性の良い役
まず平和と最も相性の良い役は
です。
前者のタンヤオは非常に使用頻度が高い役であり、同じく頻度の高い平和と複合しやすいと言えます。
また、リーチについては平和が必ず面前(鳴きなし)のため、1000点を支払うだけで複合できるわけです。
参考↓
その他にも順子系の役は大体相性がよく、三色、一盃口、一通などもたまに複合します。
相性の悪い役
逆に平和と相性の悪い役としては、
- 鳴きを基調とした役
- 縦(同じ牌3枚)に伸ばす役
などです。
平和は成立条件として鳴きが使えず、メンツも順子(階段上)にしなくてはなりません。
なので、ホンロー、トイトイ、役牌などの役とは複合することはできません。
字牌を使わない清一色とかは一応あるけど、まあ大体鳴くので薄いです。
平和(ピンフ)の使い方、主にリーチ判断について
ここからは戦術的な話になるのですが、平和に関しては、リーチするかしないか、という点で迷う人も多いです。
そこで麻雀戦術書などで一般に言われている最適ソリューションをいくつか紹介します。
先制ピンフ聴牌は即リーチ
昔は平和のみでリーチをかけるのはよくないという意見が多かったのですが、最近では即リーチをかけていく戦術が主流です。
理由としては、リーチをかけることで裏ドラをめくる権利を得たりチップをもらえたりするため。
現代では、警戒されたり振り込んだりするリスクよりも、打点上昇のメリットが大きいためリーチ有利とされています。
オーラストップ目はダマ
じゃあ、全部リーチか、というとそうでもなくて、ダマにした方がいい場面というのもあります。
その中の一つとしてはオーラスのトップ目が挙げられます。
オーラストップ目は、打点よりもトップを確定させることの効果が大きいのでダマが有利です。
またリーチ棒を出したくないときとかもダマは有効です。
平和ドラ3もリーチ?
ちなみにこれはけっこう判断が分かれるところみたいですが、平和を聴牌してその手にドラが3枚あってダマでも満貫があるような場合。
これもややリーチが有利という意見が多いみたいです。
ただ、AI雀士の爆打の判断によれば大差でダマ有利と書かれており、なかなか難しいところです。
◆参考記事
ピンフに関するQアンドA。こんなケースはどうなるの質問箱
ここまでを読んだ方だと、なんとなく平和(ピンフ)についてお分かりいただいたと思います。
ただちょっとまだ疑問が残るな??というケースももしかしたらあるかもなので、よくある質問をまとめました。
鳴きはOK?
平和は鳴きNGです。
ポンやチー、(あとカンも)をすると、平和を上がることはできません。
平和の点数計算は?
平和の点数計算は独特で、
- ツモ・・・20符
- ロン・・・30符
となります。
具体的にはこんな感じの点数↓
平和ツモがないルールがある?
関西のサンマだと平和ツモを認めないルールがあります。
その場合は単にツモ(別の役:1翻)となるので上がれないわけではないです。
◆平和ツモなしの場合
- ツモ…門前清自摸で1役
- ロン…平和で1役
(20符でなく、30符になる計算)
昭和24年ごろの麻雀では「平和はロンのみ」(ツモは不可)だった。その後、ツモ平和を認めない大阪サイドと認める立場の東京サイドの戦いが数年続き、ツモ平和ありが一般的になった。
と、2022年5月号の「麻雀界」に書いてありました↓
ピンフに始まりピンフに終わるって何?
麻雀の格言です。
ボクシングでいう「左を制するものは世界を制す」みたいなノリで、それだけ平和(ピンフ)が重要ですよ、というのを示しています。
平和に対するベタオリの方法は?
相手の平和を防ぐための方法としては、
筋(スジ)を切る
という手法が一般的です。
なぜなら平和は必ず両面待ちであるため、スジがフリテンになるからです。
両面待ちのはずなのに平和がつかない
これは大体ノベタン待ちになっているケースが多いです。
こんな感じで、4つ並んでいる形は両面待ちではなくノベタン待ちとなります。
- 両面待ち・・「23」など両手が開いている形
- ノベタン待ち・・「1234」など4枚でどちらかを頭にしようとしている形。単騎が2つあるというイメージなので両面待ちにならない。
メンタンピンって何?
メンタンピンは、「リーチ、タンヤオ、ピンフ」の略称です。
それぞれ1役なので計3役となります。
平和の頭に使っていい牌とダメな牌の違いがわからない
これは役牌かどうかで見分けるとわかりやすいです。
役牌(三元牌、または字風または場風)の場合には頭にすると符が上がってしまうのでNGです。
しかし、そうでない字牌は単に1,9牌と同じで符が上がらないためセーフとなります。
平和のメンツの順子って何?
平和を構成するメンツは順子(シュンツ)で構成される必要があります。
順子とは、「123」「456」などのように、階段状になった3枚組のことです。
※「白白白」などは不可、頭のみ同じ牌2枚で良い
三暗刻と平和は複合する?
たまーにあるケースとして、三暗刻にも平和+一盃口にもとれるみたいな形があります。
そんなとき、両方の役がつくのか?というとそうではありません。
具体的には以下のルールによります。
- 順子(階段状)か刻子(同じ牌3枚)かはどちらかの形を選択
- 役については高い方を優先する
(平和+一盃口=2、三暗刻=2で同じだが符の関係で三暗刻をとる)
同じようなケースで二盃口か七対子か問題などもあるので詳細は以下の記事をどうぞ。
終わりに!平和(ピンフ)に始まり平和に終わる!
この役は麻雀における1翻役で、もっともポピュラーな役の一つです。
そもそも平和の由来は、Peace(平和)ではなく、平凡な和了(アガリ)という意味での平和(ピンフ)となります。
なので、アメリカ麻雀での英語の役名もPeaceではなく、「No-points hand(符のない手)」という名前です。
最後に、麻雀のピンフは、世界平和とは関係ないんだ!ということを覚えておきましょう。
ではまた。良い麻雀ライフを!
・基本役まとめ➔【5分で覚える基本役!】麻雀初心者が覚えるべき出る順15!
麻雀初心者講座、開幕!
麻雀のルールを体系的に学びたい・・!
そんな要望を多数いただき、本サイトでも初心者講座カテゴリーを解説しました。
全12回で麻雀のルールと基本戦術をマスターできるコースです。
全編無料なのでこの機に麻雀の勉強をしてみよう!という人はぜひ参考にしてください。
◆初心者から初級者になる6講座
- 第1回:麻雀とは?ざっくり概要を解説
- 第2回:麻雀の上がり方!ツモとロンを覚えよう
- 第3回:麻雀の主な役!まずはこれだけ3,5,7
- 第4回:牌効率の基礎!確率を上げる考え方
- 第5回:鳴き!ポンとチーで人から牌をもらう方法
- 第6回:役を狙う牌効率!6つのコースで解説
- 番外編:手積み麻雀ができるようになる方法
◆初級者から中級者になる6講座
- 第7回:ベタオリ!リーチを受ける手順とコツまとめ
- 第8回:相関図で麻雀役を全部覚えてみよう!
- 第9回:麻雀の点数計算やり方解説【符の数え方】
- 第10回:フリテンルール解説!ロンできない問題を解決します
- 第11回:麻雀の押し引きについて
- 第12回:手役読みの基礎!相手の狙い役を見抜く方法
- 番外編:【徹底比較!】オンライン・ネット麻雀のおすすめまとめ!
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